ガス事業法及び独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構法の一部を改正する法律案に対する附帯決議
政府は、本法施行に当たり、次の諸点について十分配慮すべきである。
一 独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)による液化天然ガス(LNG)の調達については、経済産業大臣の要請が行われる場合の要件を具体的に例示するなど、予見可能性を高めるよう努めること。また、調達から利用まで相当な時間を要することから、世界的なLNGの需給状況を踏まえつつ、民間事業者と緊密に連携をとって、緊急時に速やかに必要なLNGを調達できるよう万全を期すこと。
二 緊急時にJOGMECが調達するLNGは、今回措置するガスの製造のみならず、発電用燃料にも使用されることに鑑み、発電事業者やガス事業者等への供給について、運用の明確化を行い、適切な配分が行われるよう努めること。
三 緊急時にJOGMECがLNG調達に関する業務を適切に実施できるよう、JOGMECの体制の整備に必要な措置を講ずること。
四 ガスの使用を制限することは、国民生活及び企業活動等に重大な影響を与えるおそれがあることに鑑み、平時から、資源外交の積極的な展開やLNG輸入事業者に対する支援等を通じて、LNGの安価かつ安定的な調達に努めつつ、需要家に対する節ガスの呼びかけや経済インセンティブの活用等を進めるなど、ガス需給の両面において可能な限りの対策を講ずること。
五 ガスの使用制限を実施するに当たっては、対象となる需要家等と事前に十分な調整を行い、制度の趣旨及び対象範囲や制限の方法等について国民や関係者に対する周知徹底を図るなど、需要家等の予見可能性を確保し、制度の運用に万全を期すこと。また、使用制限による需要家への影響が最小限に抑えられるよう、十分に配慮すること。
六 ガス分野における二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に向けて、合成メタンを製造するためのメタネーション技術の開発や効率的な熱利用等の熱需要における脱炭素化の促進のために実効的な措置を講ずること。