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不正競争防止法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議

 

 政府は、本法施行に当たり、次の諸点について十分配慮すべきである。

 

一 政府は、本法に基づく改正内容について、国民や中小企業を含む産業界に対し具体例を用いて説明するなど、丁寧な周知に努めること。また、事業活動がグローバル化するとともに、国内外問わず雇用が流動化し、営業秘密侵害事件が増加傾向にある中、我が国の産業競争力における営業秘密の重要性に鑑み、我が国企業の営業秘密の保護強化に向けて万全を期すこと。

 

二 デジタル空間におけるコンテンツの保護及び利用を推進し、経済活動を活性化するため、本改正にとどまることなく、幅広く知的財産権に関する法律の改正についても速やかに検討すること。

 

三 登録可能な商標の拡充、意匠登録手続の要件緩和、形態模倣商品の対象拡大等、本法の施行に当たっては、デジタル空間における経済取引が活発化している現状に鑑み、結果的にクリエイティブな活動に制約を課すこととならないよう、保護と利用のバランスを適切に考慮した上で、事業者の予見可能性を高めるため、審査基準等の明確化及び周知徹底に努めること。

 

四 知的創造物の権利については、意匠法等の知的財産権に関する法律の保護対象の範囲及び保護と利用の在り方について、適時適切に見直しを行うこと。

 

五 政令による特許に関する審査請求料減免制度に係る上限件数等の設定に当たっては、中小企業等の特許権の取得等の知的財産活動が萎縮することのないよう、資力等の制約がある者の発明奨励・産業発達促進という本制度の趣旨を踏まえ、十分に検討を行うこと。また、中小企業等の知的財産活動の実態に即した支援に努めること。

六 知的財産分野におけるデジタル化やグローバル化の一層の進展及び事業活動の多様化等の環境変化、また他国の出願件数が増大する中において我が国の出願件数が減少傾向にある状況等を踏まえ、事業者の負担軽減に資するための制度の国際調和等、真に我が国の知的財産権の保護強化・拡充に資するよう、我が国の知的財産制度について諸外国の先進的な取組等も踏まえつつ、適時適切に本質的な対応をすること。

 

七 世界的な利用拡大が進む生成系AIについて、新技術の発展に配慮し、既存の知的財産権の保護の枠組みを関係者に十分周知徹底した上で、最新の技術動向が知的財産権に与える影響やそれに対する海外の対応状況等を注視しつつ、我が国の知的財産制度の在り方について検討を行うこと。

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