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特許法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議

 

 政府は、本法施行に当たり、次の諸点について十分配慮すべきである。

 

一 特許審判等におけるウェブ会議システムを利用した口頭審理の実施に当たっては、公開主義、直接主義の原則及び口頭によることの意義を維持し、審判の公正を担保するとともに、個人情報や企業秘密等が不当に漏えいすることのないよう、公開の在り方等について十分に検討を行い、適切な措置を講じること。

 

二 特許権等の放棄及び訂正審判等における通常実施権者の承諾を不要とすることにより、いわゆる独占的通常実施権者に不測の損害が生じること等がないよう、権利関係の実情を踏まえ制度の周知徹底等適切な措置を講じること。

 

三 特許権侵害訴訟等における第三者意見募集制度の導入に当たっては、第三者から多様な意見が幅広く得られ、第三者が容易に意見を寄せることを可能とするとともに、提出された意見を両当事者が公平かつ有効に利用でき、裁判所の公正な判断に資する制度となるよう、必要に応じて措置を検討すること。

 

四 海外からの模倣品の流入に対する規制の強化に当たっては、税関の事務負担の増大にも配慮し、実効性ある取締りが可能となるよう適切な体制を整備するとともに、善意の個人に不測の損害を与えることがないよう留意すること。

 

五 政令による特許料等の具体的な決定に当たっては、知的財産権の保護及び利用を図ることにより産業の発達に寄与することを目的とする知的財産関連法の趣旨に沿った適切な料金が設定されるよう、十分に検討を行うとともに、中小企業等を対象とする減免制度の在り方についても、その実情等を踏まえて公正かつ適切な運用がなされるよう努めること。

 

 

六 我が国の農林水産事業における国内外知的財産権の創出・保護・活用の推進は、昨今とみにその重要性を増しているところ、農林水産事業者と弁理士とのタイムリーな相談機会の確保・促進を図るため、関係省庁及びその地方機関等においては、農林水産事業者のための相談窓口を設けることを検討すること。

 

七 植物の新品種や地理的表示の保護に関する相談業務を弁理士の業務として追加するに当たっては、農林水産事業者等の利用者の利便性向上及び関係法令遵守の観点から、相談内容に応じて行政書士等他の専門家や各地方における農林水産関連事業者団体、農林水産関連研究機関等との連携を図るとともに、研修等の充実を通じ、弁理士の更なる資質向上を図ること。

 

八 いわゆる懲罰的損害賠償制度や特許紛争の早期解決、また中国をはじめとする他国の出願件数が増大している状況に応じた効率的な審査の在り方等、我が国の知的財産制度が状況の変化に対応した適切なものとなるよう、諸外国や裁判例の動向も注視しつつ引き続き検討すること。

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