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スマートフォンにおいて利用される特定ソフトウェアに係る競争の促進に関する法律案に対する附帯決議

 

政府は、本法施行に当たり、次の諸点について十分配慮すべきである。

 

一 デジタル市場の活性化やイノベーションの促進を図る観点から、特定ソフトウェアに係る市場における自由で開かれた公平・公正な競争環境の整備に取り組むとともに、セキュリティの確保、プライバシー保護、青少年保護、消費者保護等に関し必要な措置が講じられるように努め、競争と安全の両立の確保を図ること。この場合において、指定事業者によるセキュリティの確保、プライバシー保護、青少年保護等を理由とする過剰な措置が行われることのないよう、関係行政機関が連携して適切に対応すること。また、スマートフォンの安全・安心な利用と利便性確保のために、利用者に対し必要かつ十分な情報提供が行われるよう最大限努めること。

 

二 指定事業者の禁止事項及び遵守事項について、本法の運用状況の検証等を通じ、競争上の問題の大きさに比して適切な規制になるように配慮するとともに、デジタル分野における技術革新、国内投資の促進、新たなビジネス形態等にも適切に対応することができるよう、必要に応じ見直しの検討を行うこと。

 

三 指定事業者の禁止事項及び正当化事由並びに遵守事項について指定事業者が適切に対処するための指針については、関係事業者の予見可能性の確保及び競争と安全の両立が図られるよう、関係行政機関、関係有識者、関係民間事業者等を始め幅広い関係者の知見等を踏まえて可能な限り明確かつ具体的に策定するとともに、デジタル市場における情勢の変化等に対応し、適宜見直しを行うこと。また、検索エンジンに係る指定事業者の禁止行為については、検索エンジンを巡る適正な競争環境の確保に努めつつ、先行して制度の運用を行っている欧州の実施状況を分析し、検索エンジンに係る利用者のニーズへの即応性や的確性その他利用者の利便性が損なわれることがないよう配慮すること。

 

四 本法の規制に関して、例えば、指定事業者以外の事業者によるアプリストアの提供について、指定事業者が、不当に高額な手数料等を徴収するなどにより、事実上参入を制限することがないよう、公正取引委員会は、指針においてその考え方を明確にすること。

 

五 令和五年六月十六日に政府のデジタル市場競争会議において取りまとめられた「モバイル・エコシステムに関する競争評価最終報告」において必要性が指摘された「う回的行為の禁止」について、指針や本法の運用においてその内容の明確化を図ること。

 

六 アプリ開発者を始めとする公正取引委員会に本法の違反行為の報告及び措置の求めをした者の保護を図るため、その者に対する不利益取扱いの禁止の違反に係る本法第三十条による指定事業者に対する勧告及び命令等の必要な措置を適切に実施すること。

 

七 本法の適切な運用を確保する観点から、専門部署の設置、デジタル分野の技術やビジネスに精通した専門人材の確保等、公正取引委員会の組織・人員等の体制を抜本的に強化し、公正取引委員会の独立性を確保するとともに、関係行政機関の間の連携強化を図ること。 また、幅広い民間事業者の知見等を有効に活用するよう努めること。

 

八 欧州や米国を始めとする諸外国の競争当局等との連携強化を図り、世界的なデジタル市場における競争政策の動向及び取組等を踏まえ、適時適切に必要な措置を講じること。

 

九 青少年や保護者、教育関係者等のスマートフォンの利用に係るリテラシーの向上への取組が、関係行政機関の間の連携や関係民間機関等との連携の下で行われるように努めること。

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