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空家等対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議

 

 政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用について遺漏なきを期すべきである。

 

一 市町村による空家等活用促進区域の指定に当たっては、条件として中心市街地等の他に地域の実情に応じて幅広く柔軟に指定できることを明確にし、指定の基準や手順を明示するなど、必要な支援を行うこと。

 

二 市町村長による管理不全空家等に対する指導及び勧告が円滑に行えるよう、どのような空家等が管理不全空家等に該当するか、具体的な状態を示すこと。

 

三 意思能力に欠ける疑いが強いが成年後見人が選任されていない、特定空家等の所有者等への助言又は指導、勧告、命令及び代執行の手続並びに管理不全空家等の所有者等への指導及び勧告の手続の在り方について、その者の自己決定権などへの配慮をしつつ、検討を進めること。

 

四 多数者が共有する特定空家等に対する措置に関する手続について、市町村の行政負担が不合理なまでに過酷にならないよう検討を進めること。

 

五 本法に基づく特定空家等に対する措置を受けた所有者が死亡した場合の新たな所有者に対して、その者の手続面での保障に配慮しつつ、同措置の効果を早期に発現させることについて検討を進めること。

 

六 管理不全空家等に係る勧告等の対象となる者のうち、意思能力が不十分又は意思能力を欠く者については、その財産を管理する各種制度を積極的に活用できるよう検討すること。

 

七 管理不全建物管理人制度等の周知に努めるなど、財産管理人による空家等の管理などが進みやすい環境を整備すること。

 

八 命令等の事前手続を経るいとまがない緊急時の代執行制度について、過度な財産権の制限とならないよう、また、制度の円滑な活用が進むようにするため、どのような場合に緊急時の代執行ができるかについて具体的に示すこと。

 

九 代執行の対象となる特定空家等に残された動産の取扱いについて、本法の円滑な実施の観点からの検討を進めること。

 

十 借地上の特定空家等が代執行により除却された場合において、土地の利用価値が増加し土地所有者等に受益が生じるとして負担を求め得るかの検討を進めること。

 

十一 市町村長による空家等管理活用支援法人の指定が円滑に進むよう、先進事例を紹介しつつ、指定に当たっての考え方を示すなど、市町村長が指定しやすい環境を整備すること。また、 市町村が空家等管理活用支援法人を積極的に利用できるよう、十分な支援措置と予算措置とを講ずることについて、検討を進めること。

 

十二 本法の円滑な施行に当たっては、地方公共団体の空き家担当職員の確保及び地方公共団体の空き家対策予算の充実が重要であることに鑑み、地方公共団体の担当職員の増員を促し、地方交付税制度等による財政の支援に努めること。

 

十三 空家等の発生及び増加の抑制のための対策を講じ、地方公共団体にその対策を促すこと。また、空家等の活用等を促進するため、筆界又は境界の確定に関する所有者及び市町村への支援を行うこと。

 

十四 本法の第十八条に定める空家等の活用の促進についての配慮が円滑に進むよう、都道府県や関係府省にその運用について十分に周知徹底すること。

 

十五 本法の特例により、狭あい道路が更に狭あいになることがないようにすること。また、 空家等に関する除却を行う際に狭あい道路を拡幅するなどの災害対策と空き家対策の連携方策について、検討を進めること。

 

十六 国土交通省の空き家対策モデル事業においては、その趣旨及び目的に鑑み、地方公共団体と法務、不動産、福祉等の資格を有する専門家との積極的な連携を図り、地域の活性化に資する優良な取組を支援すること。

 

十七 部分居住の長屋の非居住住戸が著しく保安上危険等の状態になっている場合に本法の適用対象とすることについて検討を進めるとともに、全部非居住の長屋も含めて、建物の区分所有等に関する法律を踏まえた本法の措置の在り方について、検討を進めること。

 

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