道路法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議
一 令和六年能登半島地震により、道路啓開計画を事前に準備し、平時における訓練等を通じて災害時対応の実効性を向上させることが重要であることが改めて認識されたことに鑑み、道路啓開計画が未整備の地域が生じないよう、国が主体的に取り組むとともに、都道府県等を積極的に支援すること。また、発災直後の道路啓開実施が着実に行われるよう、制度の適切な運用を図ること。
二 原子力発電施設等立地地域における道路啓開計画を策定するに当たっては、地震や津波等との複合災害時に被災者の避難を最優先にする観点から、原子力災害の特性に応じたものを策定すること。
三 災害発生時において道路啓開を含む緊急復旧等を機動的に実施するため、その担い手となる地域建設業者や道路管理者等が平時から十分な資機材を確保しておくことが可能となるよう、維持管理費用に配慮するなど財政支援等に必要な予算を確保するなどの環境整備を図ること。また、道路管理者においても資機材を確保すること。
四 広域的な支援拠点としての観点から、「防災道の駅」の追加選定を戦略的に行うとともに、「防災道の駅」以外であっても防災上の位置付けを有する道の駅については、当該道の駅における施設や自動車駐車場の耐震性の向上等が図られるよう、財政的支援の強化に努めること。
五 地方公共団体や民間事業者が、災害時に派遣可能なトイレコンテナ等を設置することについて、無利子貸付以外にも支援措置を充実させること。
六 災害時における高付加価値コンテナの更なる活用促進を図る観点から、本法による占用許可基準の緩和措置や各種支援制度を周知し、民間事業者等による保有を促進するとともに、道路管理者自らもその保有に努めること。また、民間事業者等が保有するものを含め、災害時に活用できる高付加価値コンテナの配備状況を把握し、発災時に円滑な運用がなされるよう必要な取組を行うこと。
七 道路空間における脱炭素化施設等の導入促進のために民間事業者が活用できるための道路占用基準の運用に当たっては、道路自体の脱炭素化に資するものであるものを優先し、新たな利権の発生につながらないよう公平公正な基準を設けること。
八 都市災害の減少や都市景観の向上を図り、交通渋滞などに繋がる地中・道路の地下に埋設されている上下水道、電気、ガス、電話等のライフライン関係の改修工事において、共同溝の導入や、共同工事・集中工事で、効率的な道路工事の実施を進めること。