衆議院

メインへスキップ



   児童扶養手当法の一部を改正する法律案に対する附帯決議

 

 政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。

一 配偶者からの暴力、配偶者の児童に対する虐待等の原因により別居し、事実上の離婚状態にある世帯において児童を養育する母又は父に対し児童扶養手当が適切に支給されるよう、制度の運営の在り方について検討すること。

二 公的年金等の受給者に対する児童扶養手当の支給制限については、児童が育成される家庭の所得水準等をも考慮し、公的年金と児童扶養手当それぞれの趣旨を踏まえつつ、その在り方について検討すること。

  なお、障害基礎年金について、受給後に有した子に係る加算制度が設けられたことにより、これまで支給されていた児童扶養手当が支給されなくなる場合があること等を踏まえ、受給世帯に不利な取扱いとならないよう、運用の改善等適切な措置を講ずること。

三 児童扶養手当法第十三条の二の規定に係る児童扶養手当の一部支給停止措置については、ひとり親家庭の平均収入がなお低い水準にあり、低所得世帯が多くを占める状況が続いていることにかんがみ、受給資格者が就業していること等の一定の事由に該当する場合は一部支給停止の適用を除外している現行の政省令の適用状況を精査した上で、運用の改善等所要の措置を検討すること。

四 児童扶養手当法の一部を改正する法律(昭和六十年法律第四十八号)における父の所得による支給制限措置に係る改正規定については、ひとり親家庭の生活の安定及びひとり親家庭で育つ子どもの健やかな成長に資するよう、今後、養育費相談支援センターをはじめとする養育費の確保に係る取組みを一層推進するとともに、その取組みの効果等を踏まえ、当該規定の在り方について検討すること。

五 ひとり親家庭の父又は母の就労支援策については、就職等に有利な職業訓練の充実を図るとともに、求職中の生活の安定のための支援を検討すること。特に、母子家庭の母で希望する者が常用雇用として就業できるための施策を推進するとともに、企業に対し母子家庭の母の雇入れの促進について強力に要請を行う等自立支援に向けた取組みを積極的に推進すること。また、ひとり親家庭の就業状況等の改善に資するよう、ひとり親家庭の就業状況やひとり親家庭に対する就業支援策等の実施状況等について定期的に調査を行い、その都度結果を公表すること。

六 ひとり親家庭の児童の保育所への優先入所が実質的に可能となるよう、特に入所待機児童の多い都市部における保育サービスの量的整備を促進すること。また、ひとり親家庭を含め子どものいる父母の仕事と生活の調和を図るため、多様な保育サービスや放課後児童クラブをはじめとする子育て支援の諸施策を推進するとともに、更なる施策の充実・拡充のため、新たな法制も含めた検討を行うこと。さらに、母子家庭の福祉が増進されるよう公営住宅への入居について特別の配慮をしなければならないとの母子及び寡婦福祉法の規定を踏まえ、国において地方公共団体の取組みに対する一層の支援を行うこと。

七 児童扶養手当制度について、父子家庭に新たに支給することとなったこと、ひとり親世帯の所得状況、生活実態、社会経済状況の変化及び他の所得保障制度との関係等を踏まえ、その在り方を検討し、所要の措置を講じること。

八 児童が規則正しい食生活を送ることにより心身の健全な発達が図られるよう、児童の食生活の中で重要な役割を担っている小学校・中学校における学校給食費の負担軽減を検討すること。

衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.