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   新型コロナウイルス感染症等の影響による情勢の変化に対応して生活衛生関係営業等の事業活動の継続に資する環境の整備を図るための旅館業法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議

 

 政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。

一 旅館業の営業者が感染防止対策への協力を求める場合は、宿泊しようとする者の置かれている状況等を十分に踏まえた上で、協力の必要性及び内容を判断するよう、適切に指導すること。

二 旅館業法第四条の二第一項は、旅館業の営業者が宿泊しようとする者に対して医師の診断を受けることを強制できるものではないことを明らかにして周知すること。

三 宿泊しようとする者が特定感染症の患者に該当するかどうかを確認した結果の営業者への報告は、口頭による報告も含めること。

四 旅館業法第四条の二第三項に基づく厚生労働大臣の意見聴取に当たっては、感染症患者、障害者等の旅館業の施設の利用者からも意見を聴取すること。

五 旅館業法第四条の二第四項の正当な理由については、宿泊しようとする者の置かれている状況等を十分に踏まえた上で、協力の必要性の有無及び協力の内容について適正性・公平性が図られるよう、柔軟に幅広く解釈・運用すべきであることを営業者に周知すること。また、営業者の実施した協力の求めの内容等について適切に把握し、その適正性・公平性を確認すること。

六 宿泊しようとする特定感染症の症状を呈している者が診察等に容易に応じることができるよう、地域における旅館業の施設と医療機関との連携を確保すること。

七 旅館業の営業者が適切に対処するために必要な指針の策定に当たっては、宿泊しようとする者が特定感染症の患者等に該当した場合であっても医療機関等が逼迫しており入院調整等に時間を要するときは宿泊拒否ではなく感染防止対策への協力を求め個室等で療養させることが望ましいこと、旅館業の営業者は障害者差別解消法等を遵守し、障害を理由とする差別は許されず障害を理由とする宿泊拒否はできないこと、障害者差別解消法第八条第二項の「実施に伴う負担が過重でない」ものは宿泊拒否事由に当たらないことを明確にすること。

八 宿泊拒否事由に係る宿泊しようとする者からの営業者に対する要求についての厚生労働省令を定めるに当たっては、営業者による恣意的な運用がなされないよう明確かつ限定的な内容とするよう努めること。

九 本法附則第二条第一項に基づき、正当な理由なくこれに応じないときの対応の在り方について所要の措置を講ずるに当たっては、今回の修正があったことを受け止め、まずは宿泊拒否事由の拡大以外の事項の検討を行うこと。

十 旅館業の営業者と宿泊しようとする者が混乱することなく対応できるよう、本法による旅館業法の改正の内容及び指針について、周知徹底すること。

十一 旅館業の営業者に対し、差別防止のための研修教材の準備や研修を担う人材の育成等に対する支援を行うこと。また、旅館業の営業者の研修の実施の有無・内容等について、定期的に確認すること。

十二 旅館業の施設には不特定多数の者が宿泊することに鑑み、科学的知見に基づいた換気設備等の感染防止のために必要な対策等についての周知を行うとともに、感染防止対策を担う人材育成を支援すること。

十三 旅館業は宿泊者の移動・生命・財産を守ることが求められている重要な事業であることを踏まえ、旅館業の事業譲渡が行われた場合には、事業を承継した者に対して事業の継続性について十分に周知すること。

十四 生活衛生関係営業等の営業者の地位の承継後六月以内に少なくとも一回行わなければならないとされる都道府県知事等による業務の状況の調査について、承継後可能な限り速やかに実地検査を含めた必要な調査が行われるようにすること。

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