育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律及び次世代育成支援対策推進法の一部を改正する法律案に対する附帯決議
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
一
二 所定外労働の制限、時間外労働の制限及び深夜業の制限について、その利用状況を把握し、その結果も踏まえ、労働政策審議会において、子の対象年齢などの必要な検討を行うこと。
三 三歳から小学校就学前の子を養育する労働者に関する柔軟な働き方を実現するための措置について、三つ以上の措置を講じるなど可能な限り労働者の選択肢を広げるよう工夫することが望ましいことを指針で明記するとともに、施行の状況を踏まえ、労働政策審議会において、労働者の選択肢や子の対象年齢などの必要な検討を行うこと。
四 政府が掲げる男性の育児休業取得率の目標の達成に向けては、取得率だけでなく、育児休業の「質の向上」の観点から、男性の育児休業の取得日数等の数値も参照して、男性の育児・家事への参画の推進のための効果的な方策を推進すること。
五 出産や育児への父親の積極的な関わりを促進するとともに、母親だけでなく父親も不安なく子育てにあたることができるよう、伴走型相談支援において切れ目無く支援を提供すること。また、企業における父親も対象にした出産や育児への積極的な関わりの促進に向けた取組を推進すること。
六 介護休業等の対象となる要介護状態についての現行の判断基準は、主に高齢者介護を念頭に作成されており、子に障害のある場合や医療的ケアを必要とする場合には解釈が難しいケースも考え得ることから、早急に見直しの検討を開始し、見直すこと。また、検討で得られた知見などを踏まえ、厚生労働省とこども家庭庁とが連携し、障害者支援に係る団体等の協力も得ながら、障害のある子や医療的ケアを必要とする子を持つ親が、子のケアと仕事を両立するための包括的支援について検討すること。
七 男女ともに仕事と育児・介護の両立を実現するためには、職場全体における長時間労働の是正が不可欠であることから、働き方改革をより一層推進し、育児期・介護期に限らず全てのライフステージにおける労働者のワーク・ライフ・バランスの実現に取り組むこと。