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   日本語教育の適正かつ確実な実施を図るための日本語教育機関の認定等に関する法律案に対する附帯決議

 

 政府及び関係者は、本法の施行に当たっては、次の事項について特段の配慮をすべきである。

 

一 我が国が選ばれる国となるためにも日本語教育を更に推進することが必要であり、教育機関、事業者、地方公共団体等とともに、日本語教育に必要な環境を整備し、誰一人取り残されない多文化共生社会の実現に向けて、認定日本語教育機関や登録日本語教員による日本語教育が、地方も含めて幅広く行われるよう、財政措置を含めた支援策を検討し、必要な措置を講ずること。

 

二 認定日本語教育機関や登録日本語教員が、留学分野だけでなく就労及び生活・子育て分野でも広く活用されるよう、文部科学省及び法務省その他の関係省庁の連携の下、具体的な仕組みを検討し、その構築に努めること。また、認定日本語教育機関の認定基準の策定に当たっては、法務省告示校、大学留学生別科をはじめとする日本語教育機関のうち、一定の要件を満たすものが適切に認定されるものとすること。

 

三 日本語教育を必要とする就学前段階からの子供が、ライフステージに合わせて幼稚園、保育所、認定こども園や小・中・高等学校、夜間中学等も含めた多様な場において適切な支援を受けられるよう、関係者及び関係機関の連携を密にするとともに、個々のニーズ、レベル、発達状況に応じた切れ目のない日本語学習機会の提供のための支援に必要な施策を講ずること。

 

四 日本語教育における専門人材の確保が困難な状況にある中、留学生、児童生徒、生活者、就労者、難民・避難民、海外等の分野別の研修の充実をはじめとする日本語教師のキャリア形成支援、処遇や労働環境の改善等による人材確保策について具体的に検討すること。また、地域における日本語教育において、ボランティアや地域日本語教育コーディネーター等の担い手の確保が本法施行後も引き続き重要であることから、必要な人材確保のための支援を行うとともに、地方公共団体と適切に連携すること。

 

五 現在の法務省告示校の教員要件を満たす者や現職の日本語教師に対する登録日本語教員への移行措置については、関係者の意見を十分に踏まえた上で早期に明確化するとともに、その周知に万全を期すこと。

 

六 本法により創設される認定日本語教育機関及び登録日本語教員の制度について広く周知するとともに、日本語教育機関や日本語教師の専門性、社会的意義及び役割についての認知を高めること。

 

七 外国人が基本的なコミュニケーション能力を得る上で、日本語の習得に取り組むことが有用であるという認識を、在留管理等の観点も含めて外国人の受入れ政策に関係する全ての省庁が共有すること。また、地方の出入国在留管理も含めた法務省と文部科学省の一体的な制度の運用に必要な体制を強化し、外務省、厚生労働省、総務省、経済産業省等の関係行政機関が連携して、本法に規定される事務の実施に万全を期すため、政府全体として必要な体制を整備すること。その上で、技能実習制度及び特定技能制度の見直しを含めた出入国在留管理政策の中においても、日本語学習に取り組むことを動機付けるとともに、日本語教育の費用負担における事業者等の責務の在り方を含めて適切な方策を検討し、運用に努めること。

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