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学校教育法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議

 

 

 政府及び関係者は、本法の施行に当たっては、次の事項について特段の配慮をすべきである。

 

一 デジタル教科書のアクセシビリティ機能を充実し、障がいの有無や不登校、言語の壁を越えて、一人ひとりが得意を伸ばし自分らしく輝ける質の高い教育環境を全国に整備し、公教育の再生を加速化すること。また、国内外のアクセシビリティに関する標準規格を踏まえ、デジタルな教科用特定図書等が満たすべき技術的標準規格の策定に当たっては、当事者の声が規格策定のプロセスに適切に反映されるよう、参加の機会を確保すること。

 

二 ICTやデジタル教科書を賢く使いながらも、五感を通じた体験活動を子どもたちに保障し、紙の教科書・デジタル活用・体験活動のベストミックスでバランスがとれた学びを実現すること。国は、紙とデジタル教科書の最適な組み合わせについて、多角的に調査研究し続け、エビデンスに基づいて子どもの発達段階や教科特性を踏まえた指針を示すこと。

 

三 国は教員の専門性を最大限に引き出す支援に万全を期すこと。そのために、現職教員が受講しやすいよう、オンライン研修も含めた多様な形態による教員研修の抜本的拡充や効果的な活用事例の共有、教員養成課程での実践的指導法の修得、ICT支援員の配置による技術的サポート体制を国の責任において支援拡充すること。

 

四 新たな負担や格差を生まないよう、高校生等奨学給付金による端末購入支援や家庭の通信環境の整備支援の拡充に取り組むこと。また転校・進学時の学習履歴の継続性の確保及びネットワーク障害時でも学びが止まらないセーフティネットを構築すること。

 

五 デジタルな形態を含む教科書を活用するためには、学校における安定した通信環境が必要であることから、地方公共団体ごとの通信環境の違いが児童生徒の学習環境の格差につながることがないよう、ICT環境の整備に努めること。

 

六 地域間の格差が生じないよう、全ての教育委員会が適切な判断を行えるようにするため、教育委員会の採択負担の軽減策を講じること。

 

七 デジタルな形態の教科書の使用が認められることを契機として、教員がデジタルの活用も含めた授業研究のための時間を十分に確保できるようにするため、教員業務支援員等の学校を支えるスタッフの配置の一層の拡充等必要な措置を講ずるよう努めるとともに、併せて必要な予算措置を講ずること。

 

八 デジタル教科書の導入に伴うアカウント設定・管理等の事務的負担が学校現場において大きな課題となっていることを踏まえ、国は教科書発行者等と連携しながら負担軽減に向けた取組を進めるとともに、有効な対策や好事例を学校現場に積極的に周知・共有すること。

 

九 デジタル教科書の使用による児童生徒の視力低下など健康面に関する留意点を整理し、教育委員会や学校等への周知・啓発を図ること。スマートフォンのSNS依存等のリスクに対し、医学的知見に基づき、学校での利用ルールのガイドライン等の周知を保護者等にも徹底すること。

 

十 より良い教科書を子どもたちに確実に届けるため、教科書発行者との連携を図り、教科書の定価については、物価の変動や技術の進展等に伴い必要なコストに見合った適正な価格に設定すること。また義務教育段階の教科書の無償措置を実現するために必要な財政上の措置を確実に行うこと。

 

十一 著作物等を教科書に掲載する際の補償金額の検討に当たっては、学校教育における教科書の役割、教科書の安定的な発行・供給の確保、権利者への適切な対価還元等に十分留意すること。

 

 

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