学校教育法及び国立大学法人法の一部を改正する法律案に対する附帯決議
政府及び関係者は、本法の施行に当たり、次の事項について特段の配慮をすべきである。
一 憲法で保障されている学問の自由や大学の自治の理念を踏まえ、国立大学法人については、学長のリーダーシップにより全学的な取組ができるよう、学長選考会議、経営協議会、教育研究評議会等をそれぞれ適切に機能させることによって、大学の自主的・自律的な運営の確保に努めること。
二 私立大学の自主性・自律性・多様性、学問分野や経営規模など各大学の実態に即した改革がなされるよう配慮すること。
三 学校教育法第九十三条第二項第三号の規定により、学長が教授会の意見を聴くことが必要な事項を定める際には、教授会の意見を聴いて参酌するよう努めること。
四 国立大学法人の経営協議会の委員の選任や会議の運営に当たっては、学内外の委員の多様な意見を適切に反映し、学長による大学運営の適正性を確保する役割を十分に果たすことができるよう、万全を期すこと。
五 学長の業務執行状況のチェック機能を確保すること。
六 教育の機会均等を保障するため、国立大学の配置は全国的に均衡のとれた配置を維持すること。
七 国のGDPに比した高等教育への公的財政支出は、OECD諸国中最低水準であることに配慮し、高等教育に係る全体の予算拡充に努めること。