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   特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律案に対する附帯決議

 政府は、本法の施行に当たっては、次の事項に留意し、その運用等について遺漏なきを期すべきである。

一 特定受託事業者であるか否かを問わず、業務委託の相手方である者からの相談を受ける体制を整備し、その相談窓口を周知すること。

二 報酬の決定に際し、特定受託業務従事者の安全及び衛生に係る必要な経費が確保されるよう、本法に基づき必要な対応を検討すること。

三 業務委託契約を締結するに当たっては、特定受託業務従事者の安全と衛生に配慮し、心身の健康を害する就業時間数等にならない期日を設定するよう、必要な措置を講ずること。

四 仲介事業者を通じて業務を受託する特定受託事業者もいることを踏まえ、業務委託を仲介する事業者の実態を把握するとともに、質の確保の観点から、本法の適用対象とならない仲介事業者に対する規制の必要性について検討すること。

五 雇用によらない働き方をする者の就業者保護の在り方について、本法の施行状況や就業の実態等を踏まえて検討し、必要な措置を講ずること。

六 本法の実効性を確保するため、本法に基づく省令・指針等を定めるに際しては、業界・業種によって契約内容が大きく異なるため、それぞれの業界及び当事者の意見を踏まえた省令・指針等を定めること。

七 本法の趣旨、本法に違反する事案等について、業務委託事業者、特定受託事業者及び業務委託を仲介する事業者に対し、十分に周知・広報を行うこと。

八 本法施行後の実態把握に努めるとともに、施行後三年を目途とした見直しを行うに当たっては、当事者を含む関係者からの意見を聴取して検討を行うこと。

九 業務委託で給付や報酬その他の条件を明示する方法は、契約書や発注書の形式だけではなく、ダウンロード機能を持ったサービスを用いるなどしてメールのみならずその他の電磁的手法を用いて箇条書きする等、受発注者の双方に過剰な負担とならない方法も認めることを検討すること。

十 明示する内容は、業務内容、成果物、報酬額に加え、納期、納品場所、支払方法、変更解除条件等も含めることを検討すること。

十一 委託事業者の禁止事項については、本法の運用状況を検証しつつ、拡充も視野に検討すること。

十二 長期に継続的に契約している場合の契約の保護として、本法の施行状況等を踏まえつつ、中途解除時等の事前予告の在り方について検討すること。

十三 ハラスメント再発防止対策を特定業務委託事業者の義務とすることを指針等において明確化するとともに、事案に係る事実関係の調査やハラスメント防止対策に係る研修等の在り方を検討すること。また、特定受託事業者を対象とし、和解あっせん機能を有するフリーランス・トラブル一一〇番において適切な相談対応を図ること。

十四 特定受託事業者の疾病、障害、死亡、廃業などのライフリスク対策について検討すること。

十五 偽装フリーランスや準従属労働者の保護については、労働基準監督署等が積極的に聴取し確認すること。

十六 労働基準法上の労働者に当たる者に対し、労働関係法令が適切に適用されるような方策を検討すること。

十七 業務委託をする場合に作成する書面等で明示すべき項目については、あらかじめ具体的な指針を示し、十分に周知を図ること。また、主な違反事例等についての情報を整理し、公表すること。

十八 業務委託事業者が、報酬減額等の不利益取扱いを示唆して、消費税免税事業者である特定受託事業者に対し、課税事業者となるよう一方的に通告しないよう、業務委託事業者に周知徹底すること。

 

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