犯罪による収益の移転防止に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議
政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずるべきである。
一 預貯金や暗号資産の口座等を不正に利用した金融犯罪への対策が急務であることから、犯罪の防止や捜査、被害者の救済を可能とするため、金融機関や暗号資産交換業者を始めとした特定事業者との連携を強化し、口座等の不正利用に係る情報の共有に一層努めるとともに、必要な場合には監督指針の見直し等を検討すること。
二 預貯金通帳の不正な譲渡等や「送金バイト」を始めとしたいわゆる「闇バイト」に係る行為が違法であることを、関係省庁間で緊密に連携して、特に若年層への教育も含め、国民に効果的かつ十分に周知すること。
三 「送金バイト」について新たに創設された罰則規定の適用に当たっては、正当な社会経済活動や商取引等で行われる送金代行行為を抑制することがないよう、許容される事例を可能な限り明示すること。
四 いわゆる「架空名義口座」を利用した新たな措置を実施するに当たっては、従事する警察官の安全を確保するとともに、必要な実施要領を整備することにより組織的な対応を担保し、恣意的な運用にならないようにすること。また、同措置に協力する金融機関等の業務への負担に十分配意すること。
五 「架空名義口座」に移転された財産の返還が適切に行われるよう、同口座へ財産を移転した者に関する調査を適切に実施した上で行うこと。また、特定被害回復給付金の支給については、給付金が本法に規定する対象被害者に適切に支給されるよう、支給に係る明確な情報を提供した上で実施すること。
六 金融犯罪や匿名・流動型犯罪グループによる犯罪について、技術の進展等による犯罪手口の巧妙化によって対処が困難な事案の発生が見込まれることから、更なる犯罪防止手法に関し法制度面も含めた検討を行い、その結果に基づいて所要の措置を講ずること。

