警察法の一部を改正する法律案に対する附帯決議
政府は、本法の施行に当たっては、次の事項に留意し、その運用等について遺漏なきを期すべきである。
一 重大サイバー事案に対処し、国民の生命、身体及び財産並びに公共の安全と秩序を守るため、万全の対策を講ずるとともに国民への適切な情報提供に取り組むこと。
二 重大サイバー事案に係る犯罪の捜査等を行うに当たっては、プライバシーの権利、通信の秘密等の基本的人権を不当に侵害しないようにすること。
三 重大サイバー事案に係る犯罪の捜査等に関する国民からの苦情申出に対しては真摯に対応すること。また、国家公安委員会に対する苦情申出制度について、国民に十分周知すること。
四 重大サイバー事案の対象となる重要インフラ等については、具体的かつ明確に示すこと。
五 国境を越えた重大サイバー事案に係る犯罪の捜査等を効果的に行うため、諸外国及び国際機関との緊密な協力関係を構築するとともに、国際共同捜査に積極的に参画すること。
六 サイバー事案に適確に対処するため、警察庁及び都道府県警察において、高度専門人材を十分に確保するとともに、民間の技術や知見も活用すること。なお、民間の技術や知見の活用に当たっては、捜査情報等が漏えいすることのないよう情報管理を徹底すること。
七 サイバー警察局及びサイバー特別捜査隊の創設に当たっては、サイバー事案に係る犯罪に関する都道府県警察の捜査能力が低下することのないよう配慮するとともに、都道府県警察の捜査能力をさらに向上させるため、必要な措置を講ずること。
八 サイバー事案に係る犯罪を未然に防止するとともに被害を最小化するため、犯罪の手口及び対処技術について関係省庁、都道府県警察、事業者等との情報共有を行うこと。