種苗法の一部を改正する法律案に対する附帯決議
我が国において農業の持続的発展を図るためには、優良な品種を用いた国産農産物の産地形成や輸出促進が重要であるが、近年、登録品種の育成者権侵害の多様化や品種登録出願中の新品種の海外流出などの課題が顕在化している。こうした状況に対処するため、育成者権保護の更なる強化を図ることが求められる。
よって、政府は、本法の施行に当たり、左記事項の実現に万全を期すべきである。
記
一 育成者権の存続期間の延長を既存の登録品種に適用するに当たっては、当該品種を利用する農業者への影響がないよう、制度の周知徹底を図ること。
二 品種登録前の出願品種の種苗の輸出に係る差止請求制度を創設するに当たっては、従来の制度と合わせて丁寧な説明を行うとともに、利害関係者からの相談等に対応する体制を整備すること。
三 種苗の輸出目的での保管にも育成者権の効力が及ぶことについて、保管行為等に関わる第三者が意図せずに育成者権侵害事案に関与することを防止するため、幅広い関係者に対して、制度見直しの内容の周知徹底を図るとともに、適切な運用を行うこと。
四 種苗の貸渡しを保護の対象とするに当たっては、従来の譲渡による慣行との相違や、虚偽表示禁止違反の刑事罰化等について、育成者権者、苗木業者、農業者等の関係者に対し、丁寧な制度の説明を行うこと。
五 品種登録出願の優先審査の導入に当たっては、対象要件を明確にするとともに、選定及び審査の透明性を確保すること。
六 幅広い育成者権者の権利の保護・活用を図るため、登録品種の海外における保護・活用を担う育成者権管理機関の早期立上げ・事業化に向けた支援を行うこと。また、海外ライセンス指針を踏まえた戦略的な海外ライセンスの実現に向けては、国内市場への影響や国際市場における輸出との競合等に対する国内産地や生産者の懸念に十分配慮すること。
右決議する。

