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   重要品種の育成及びその種苗の生産の振興に関する法律案に対する附帯決議

 

近年、温暖化等の気候変動、農業者の減少など我が国の農業をめぐる情勢が大きく変化し、農業生産活動への悪影響が顕在化する中、農業の持続的な発展と国民に対する食料の安定供給を確保するため、高温や病害虫に強く、単収が多い等の特徴を有する重要品種を育成し、広く普及を図ることが喫緊の課題となっている。このため、産官学連携の下、知的財産の保護にも留意しつつ、重要品種の育成・普及に継続的かつ安定的に取り組むことが求められる。

よって、政府は、本法の施行に当たり、左記事項の実現に万全を期すべきである。

                 記

一 重要品種の育成及びその種苗の生産の振興に係る国の基本方針の策定に当たっては、関係者間の連携・協力を前提に、重要品種の育成者、その種苗の生産者、その種苗を利用する農業者等の関係者の意見を丁寧に聴取し反映させること。

二 基本方針においては、重要品種として育成を進めるべき多収化や高温耐性等の形質を明らかにすることはもとより、産官学連携の在り方、地域の実情を踏まえた対応、多様な品種の確保の方向性等についても示すよう努めること。また、重要品種の名称等の国が有する重要品種に係る情報については、都道府県の関係者をはじめ、幅広く周知すること。

三 育成した重要品種の知的財産の保護が図られるよう、我が国における品種登録出願の義務化、出願料等の減免とともに、海外での品種登録の取組について、必要な支援を行うこと。

四 重要品種育成事業計画の認定に当たっては、我が国の食料安全保障及び経済安全保障の確保の観点から、申請者及び事業の実施内容について様々な角度から丁寧に確認を行う等、厳格な審査に努めること。

五 都道府県基本計画の作成等に当たっては、地域の合意形成に配慮して行われるよう国としても必要な助言等を行うとともに、これらの事務を担う都道府県の過度な負担とならないよう、地域の実情に応じた適切な配慮を行うこと。

六 農業経営基盤強化促進法の特例により認定重要品種種苗生産事業活動実施者が地域計画の協議の場へ参加するに当たっては、当該種苗生産者も地域農業を担う主体であることを十分に踏まえ、協議の場を通じた地域農業者等との交流・連携が確実に進展するよう、環境整備を図ること。また、本特例による取組も含め、地域計画の見直し等の取組が全国的に着実に進められるよう、必要な支援を集中的に行うこと。

七 重要品種の育成及びその種苗の生産がより効果的に行われるよう、人材の育成・確保等の幅広い支援を図ること。

八 産官学による重要品種の育成・普及の取組を支援するための十分な予算を確保すること。特に、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構による施設の供用や専門家の派遣等は、重要品種育成事業の推進への多大なる寄与が期待されることから、同機構の施設や人員を充実させること。また、同機構が保有するDNAデータ、栽培試験データその他の育種基盤情報等は、我が国の貴重な知的財産であることに鑑み、その提供・利用に当たっては、知的財産や技術の国外への流出を防ぐ措置を講ずること。

九 植物新品種の開発は、利用者である農業者の所得向上、地域農業の振興につながるべきものであることに鑑み、公的試験研究機関等における多様な優良品種の育成が持続的に行われるよう必要な支援を講ずること。

右決議する。

 

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