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   食品等の流通の合理化及び取引の適正化に関する法律及び卸売市場法の一部を改正する法律案に対する附帯決議

 

 生産資材・原材料価格の高止まりなどの中で、食品等の持続的な供給を実現するためには、持続的な供給に要する費用を考慮した価格形成を促進するとともに、農林漁業者と食品産業との連携強化を始めとする食品産業の持続的な発展に向けた事業活動を促進することが重要である。

 よって政府は、本法の施行に当たり、左記事項の実現に万全を期すべきである。

                記

一 肥料・飼料費、人件費、輸送費等の生産・流通コストが上昇する中、我が国の食料システム全体の持続性の確保が図られる食品等の価格形成を実現するため、持続的な供給に要する費用の明確化と取引におけるこれらの費用の考慮について、生産・加工・流通・小売・消費等の食料システムの幅広い関係者の合意形成と理解醸成が図られるよう、必要な取組を推進すること。

二 持続的な供給に要する費用が考慮される価格形成の実現に向けては、消費者も納得する生産性向上や付加価値向上の取組が生産・加工・流通・販売の各段階において不断に重ねられていくことが重要であることを踏まえ、こうした取組の促進のために必要な施策を十分に講じること。

三 指定飲食料品等については、認定指標作成等団体が公表するコスト指標を活用した取引の適正化の必要性等を踏まえ、食料・農業・農村政策審議会等での議論を経て、順次対象品目を定めること。特に、現在食料システムの関係者が一堂に会して協議が進められている米、野菜、飲用牛乳、豆腐・納豆については検討を速やかに進め、対象品目として定めること。

四 持続的な食料供給の実現を図るためには、持続的な供給に要する費用の考慮や納品期限の緩和を始めとする持続的な供給に資する商習慣の見直しを進めることが重要であることから、こうした取組が食料システムの幅広い関係者において実施されるよう、食品等取引実態調査をきめ細かく行い、実態を把握した上で、農林漁業者や食品等事業者に対する指導・助言等を適切に実施すること。

五 国際的な原材料調達競争の激化に対応する国内農林漁業者と食品産業との間の安定的な取引関係の確立、環境負荷の軽減等の食品等事業者による持続的な食料供給の実現に向けた取組が促進されるよう、本法に基づく計画認定制度について、関係者への制度の周知などを積極的に進め、十分に活用されるよう努めること。

六 持続的な供給に要する費用の考慮や商習慣の見直しには、消費者の理解が必要不可欠となることから、本法で措置されている食品等事業者による消費者選択支援事業活動や、国による普及啓発活動等の実施などを通じ、官民一体で消費者の理解醸成に努めること。

七 食品等取引実態調査や、事業者からの相談窓口での対応等を確実に進めるために必要となる地方農政局を含む国の組織・人員体制の整備を図るとともに、公正取引委員会、中小企業庁等との連携を密にし、関係省庁一体となって本法に基づく措置等の適正な執行を図ること。

八 食品等の価格上昇の影響をより大きく受ける生活困窮者や子ども食堂等に対する支援については、必要な食料が円滑に入手できるよう、関係省庁が密接に連携して取り組むこと。

九 カーボンプライシングの本格導入に当たり、農業、漁業及び食品産業への影響を注視するとともに、関係省庁が密接に連携して適切な措置を講じること。

右決議する。

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