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沖縄振興特別措置法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議

 

 政府は、本法の施行に当たり、次の諸点に十分配慮し、沖縄県と連携を図りつつ、今後の沖縄振興の推進に遺漏なきを期すべきである。

 

一 沖縄振興一括交付金制度が沖縄の自立的経済の発展に極めて重要な役割を担っていることを踏まえ、安定的な制度運用及び必要な予算額の確保を図るとともに、さらに効率的・効果的に活用できるよう、沖縄の実情に即した運用を図るなど一層の充実に努めること。

二 特区・地域制度の十分な活用により産業集積が一層促進され、もって沖縄の自立的経済の発展が図られるよう、広く制度の周知に努めるとともに、必要に応じ課税の特例その他の制度の改善を検討すること。その際、「措置実施計画」の作成など課税の特例等の要件が、事業者の過大な負担や産業集積の進展の阻害とならないよう、企業活動の実情等を的確に把握した上で制度設計を行うこと。

三 北部地域及び離島において、地方公共団体による産業の振興や移住・定住の促進、雇用機会の拡充等に資する取組への支援を強化するとともに、離島が我が国の領海及び排他的経済水域の保全に果たしている重要な役割を踏まえ、離島住民の生活にとって欠かせない生命線である離島航路・航空路の維持及び充実を図ること。

四 沖縄において長年、子どもの貧困問題が解消されていない状況を踏まえて、子どもの貧困対策の推進に資するため、子どもの教育・生活安定の支援、保護者の就労支援、子どもに対する経済的支援、担い手の人材育成・確保等について、財政上の措置を含めた適切な措置を講ずるとともに、沖縄振興に資する多様な人材の育成に必要な教育の充実についても、県及び市町村の要望を踏まえた形での支援を行うよう努めること。

五 沖縄振興特別措置法の施行後五年以内の見直しについては、法の期限が十年間延長されることを踏まえ、計画期間全体を通じた取組を念頭に置いて設定される施策の成果指標等について適切に評価すること。

六 県及び市町村が駐留軍用地跡地の利用推進のために公共用地を取得する際には、過大な負担を生じさせることのないよう十分に配慮し、財政上の措置を含めた適切な措置を講ずること。

七 沖縄振興開発金融公庫については、沖縄の政策金融を総合的・一元的に担っていることを踏まえ、引き続き、沖縄振興策の展開において大きな役割を担うとともに、新事業創出促進業務の範囲の拡大に当たっては、民間金融を補完して民間主導の自立型経済の構築等に貢献するとの役割を踏まえて、民業を圧迫することのないよう十分配慮すること。

八 泡盛製造業が沖縄の伝統文化や風土を現代に伝えるとともに、特に、離島地域において重要な雇用の基盤を提供してきたことを踏まえ、今後十年間において泡盛の販路拡大や製造場の創意工夫を支援する取組を強力に展開すること。

九 沖縄科学技術大学院大学(以下「OIST」という。)については、世界最高水準の教育研究を推進していくための規模の拡充等の取組を支援するとともに、県や市町村と連携して沖縄の特性や資源を活かした研究を推進し、OISTの教育研究が沖縄の振興及び自立的発展に貢献するよう促すこと。

十 戦没者の遺骨収集、不発弾処理対策等地元からも強い要望のある戦後処理問題等の諸問題について、政府が県及び市町村の協力を得て対応を加速すること。

十一 沖縄の深刻化する交通渋滞を解消するため、道路等の整備に努めつつ、総合的な交通体系の整備を促進するとともに、鉄軌道を含む新たな公共交通システムの導入に向け、公共交通機関に関連する技術の進歩の状況その他の事情を踏まえて、全国新幹線鉄道整備法を参考とした特例制度についても調査及び検討を行うこと。

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