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地方公共団体情報システムの標準化に関する法律案に対する附帯決議

 

政府は、本法施行に当たり、次の事項について適切な措置を講じ、その運用に万全を期すべきである。

 

一 標準化対象事務を定める政令の制定等に当たっては、地方自治法に基づき、都道府県知事、市長又は町村長の全国的連合組織である地方三団体に対し情報提供するとともに、意見聴取するほか、有識者からも意見を聴くなど、地方公共団体の意見を最大限尊重すること。

 

二 地方公共団体の利用する情報システムは、地方公共団体が構築することが基本であり、その整備・管理の方針についても地方公共団体が策定すべきものであることに鑑み、国による基本方針の策定に当たっては、地方三団体に加え、その他の地方関係団体等とも十分な調整を行った上で、地方公共団体の実情に即したものとすること。

 

三 標準化基準については、地方公共団体の規模、権能及び地域特性等の違いを踏まえた柔軟なものとすること。

 

四 標準化基準の策定・変更に当たっては、全ての地方公共団体や関係事業者の意見を丁寧に聴取するとともに、情報システムの運用実態を踏まえたものとなるよう、標準化対象事務に従事している職員及び情報システムを担っている職員等の意見を聴取するなど、関係者の幅広い意見を十分に反映したものとすること。また、標準化基準の検討状況について、逐次公表すること。

 

五 地方公共団体情報システムについて、地方公共団体や関係事業者の創意工夫による改善が図られるよう、地方公共団体及び関係事業者からの新たな機能に関する提案を受け付け、当該提案のうち有用性が認められるものについては、積極的に標準化基準に反映すること。

 

六 地方公共団体情報システムの標準化及び業務プロセスの見直し等によって、地方公共団体の窓口業務に混乱が生じ、住民サービスの提供に支障が生じることのないよう、地方公共団体との十分な調整を行った上で、必要な人的・財政的支援を行うなど、万全の対策を講ずること。また、標準準拠システムへの円滑な移行が図られるよう、十分な移行期間を確保するとともに、やむを得ない事由のある地方公共団体については、移行期間の取扱いについて検討すること。

 

七 地方公共団体情報システムの標準化を始め、地方公共団体のデジタル化の推進に当たっては、これを支える人材の確保及び育成が不可欠であることに鑑み、市町村において、高度な専門的知識を有するデジタル人材の確保及び育成が円滑に図られるよう、必要な人的・財政的支援を行うこと。

 

八 地方公共団体情報システムの標準化に要する経費については、国の責任において全額国費で支援すること。また、標準準拠システムの維持・管理及び改修等に要する経費について、必要な財政措置を講ずること。

 

九 地方公共団体情報システムの標準化に伴う情報システムの運営経費等の減少額については、地方行政のデジタル化や住民サービスの維持・向上のための経費に振り替えるなど、地方財政計画において適切な措置を講ずること。

 

十 地方公共団体情報システムの標準化を契機として、上乗せ給付などの地方公共団体独自の施策が廃止・縮小されることのないよう、地方公共団体情報システムの機能等について、当該施策を継続するための改変・追加が行えるようにするとともに、当該改変・追加に要する経費について必要な財政支援を行うこと。

 

十一 地方公共団体情報システムの標準化を始めとした地方公共団体のデジタル化の推進に伴い、地方公共団体の保有する個人情報について、情報連携の機会の増加が見込まれることを踏まえ、個人情報の漏えいや不適正な利用が生じることのないよう万全の措置を講ずること。

 

十二 地方公共団体の保有する個人情報に関しては、地域の特性等に応じた独自の保護措置が講じられてきたことを踏まえ、改正後の個人情報保護法下で講じられる独自の保護措置についても、標準化基準等において特段の配慮を行うこと。

 

十三 ガバメントクラウドの構築に当たっては、セキュリティ対策に万全を期すとともに、システム障害が発生することのないよう十分な対策を講じること。また、標準準拠システムへの移行を円滑に進めるため、ガバメントクラウドの構築に向けた検討段階においても、地方公共団体に対する適時適切な情報提供を行うこと。

 

十四 ガバメントクラウドの活用による地方公共団体情報システムの利用に当たっては、個人情報の適切な管理を徹底する観点から、地方公共団体ごとのデータをクラウド上で分離するとともに、厳格なアクセス制限を行うなど、個人情報を保護するための必要な対策を講ずること。

 

十五 本法附則第二項に基づく検討に当たっては、地方公共団体独自の施策への影響等にも留意しつつ、地方公共団体の意見を踏まえて検討を加え、その結果に基づいて、標準化対象事務、基本方針及び標準化基準の在り方等について必要な見直しを行うこと。

 

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