国立研究開発法人情報通信研究機構法及び電波法の一部を改正する法律案に対する附帯決議
政府及び国立研究開発法人情報通信研究機構は、本法の施行に当たり、次の各項の実施に努めるべきである。
一 政府は、ビヨンド5Gを始めとする情報通信技術が今後の社会や産業の基盤となる重要なものであることから、その技術の迅速かつ確実な進展と成果の社会実装に向けて継続的かつ十分な支援措置を行うこと。
二 政府は、ビヨンド5Gにおける我が国の国際競争力を確保するため、研究開発計画の具体化や研究開発支援の拡大等を進めるとともに、ビヨンド5Gに係る国際標準規格において、必要不可欠な特許権等の知的財産権を我が国の事業者がより多く取得できるよう、官民を挙げて戦略的に取り組むこと。
三 アフターコロナの時代においても情報通信の果たす役割は重要となることに鑑み、機構においては、我が国唯一の情報通信に特化した公的研究機関としての使命を再認識するとともに、ビヨンド5Gを始めとした研究開発に不断に勤しみ、その成果の社会実装に向けて貢献すること。また、政府は、そのために必要な機構の人員・予算等について確保するよう努めること。
四 機構は、その委託・助成による研究開発については、本法により造成される基金によるものも含め、効果的・効率的に行われるよう当該研究開発の評価・検証を適切に行うとともに、その実施状況や検証結果について適時・適切に公表するなど透明化を図ること。
五 政府は、本法による電波利用料の基金への活用に当たっては、電波利用料が無線局全体の受益を直接の目的として行う事務の処理に要する費用を原則として全ての無線局について公平に負担するものであることに鑑み、基金に充てられた電波利用料の使途を公表するとともに、電波の適正な利用の確保に資する事務・事業となるよう留意し、最大限効率的に活用されるよう適正化を図ること。
六 政府は、高齢化や過疎化などの社会課題に直面する地方を活性化し、持続可能な経済社会を実現するため、光ファイバー、5G、データセンター等の情報通信インフラ整備については、地方のニーズを適確に反映するとともに、遅滞することなく迅速に推進すること。
七 政府は、今後ビヨンド5Gを始めとする情報通信技術の発展により、電波が一層貴重な資源となることが見込まれることから、その有効活用に向けた取り組みに努めること。