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   放送法第三十七条第二項の規定に基づき、承認を求めるの件に対する附帯決議

 

 政府及び日本放送協会は、次の各項の実施に努めるべきである。

 

一 平成十六年以降に発覚した協会内部の一連の不祥事が、国民の信頼を著しく損ね、受信料不払等世帯が増加し、受信料制度の根幹をも揺るがしかねない事態を招いたことを、協会は真摯に受け止めなければならない。

協会においては、より一層コンプライアンス施策の徹底を図るとともに、職員一人ひとりが視聴者の視点に立って、高い倫理意識を確立し、組織をあげて改革に取り組むこと。

 

二 協会は、放送が社会に及ぼす影響の重大性を深く認識し、放送法の趣旨を踏まえ、放送の不偏不党と表現の自由を確保して、公平、公正な放送の徹底に努めること。また、民主主義社会における自由な報道及び憲法で保障された表現の自由を確保することを、行政権を担う政府においても放送法の趣旨を踏まえ遵守すること。

 

三 受信契約の未契約及び受信料の不払いの割合が依然として全体の約三割に達している現状にかんがみ、協会においては、引き続き、あらゆる策を講じて国民・視聴者の理解を得て、その減少に努め、受信料の公平負担を図るとともに、受信料収入の国民・視聴者への還元の具体的方策について真摯に検討すること。

 また、受信料収入に対する契約収納関係経費の比率がなお高い水準にあることから、受信料制度への視聴者理解に不可欠な地域スタッフの業務に配慮しつつも、契約収納業務の効率化をさらに進め、経費削減に努めること。

 

四 協会は、地上放送の完全デジタル化に向け先導的な役割を果たすとともに、政府は、放送が災害時等における貴重な情報源であることを踏まえ、共聴施設の改修や経済的弱者等の世帯における受信設備のデジタル化の支援等にあらゆる対策を講じ、地上放送の完全デジタル化の円滑な実現に万全を期すこと。

 

五 協会が行う外国人向け映像国際放送については、我が国の文化・産業等に係る情報発信を通じて、正確な理解及び日本の対外イメージの向上等に資するよう、番組内容の充実等に努めること。

また、多額の受信料が投じられていることにかんがみ、より効率的・効果的な放送が実施されるよう、業務体制及び放送内容の不断の見直しを行うこと。

 

六 協会は、公共放送の質の向上に資するよう、業務全般について徹底的な見直しを行うとともに、子会社等の統廃合を含めた一層の合理化を進めることにより、グループ全体の業務の効率化・スリム化を図ること。

また、協会と子会社の取引は、依然として随意契約比率が高いことから、競争契約比率を高めるなど取引の透明化・明確化を図るとともに、積極的な情報の開示に努めること。

 

七 協会は、地域の活性化に資するよう、地域からの情報発信強化等、地域放送の充実に努めること。また、災害時等において、国民が必要とする地域生活に密着した正確な情報や最新ニュースを時宜に応じて提供する必要があることから、緊急報道体制のさらなる充実・強化に努めること。

さらに、高齢者、障害者に関わるデジタル・ディバイドの解消が喫緊の課題となっていることから、字幕放送、解説放送等のさらなる拡充を図ること。

 

八 協会は、番組アーカイブについて、利用者のニーズを踏まえて、提供するコンテンツの充実やサービスの利便性の向上に取り組むなど、サービスの見直しを適宜行うとともに、早期に収支の改善が図られるよう努めること。

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