株式会社日本政策投資銀行法の一部を改正する法律案に対する附帯決議
政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。
一 株式会社日本政策投資銀行ができる限り早期に完全民営化することとされていること及び特定投資業務が時限を定めて導入されたことを踏まえ、期間延長が際限なく繰り返されることがないよう特定投資業務の法定期限到来までの間に、同業務の継続の是非と国の関与のあり方について十分に検討すること。
二 政府の保有株式については、特定投資業務等の実行に伴い政府が保有すべき株式を除き、株式会社日本政策投資銀行の目的の達成に与える影響及び市場の動向を踏まえつつその縮減を図り、できるだけ早期の売却に努め、その売却益を増大している国債の償還財源に充当するよう努めること。
三 特定投資業務が民業の補完又は奨励に徹することとされていることを踏まえ、民業を圧迫することがなく適切な運営がなされるよう注視すること。また、いわゆる呼び水効果が民間金融機関に与える経営上の影響について、定量的な計測や検証に努めるよう促し、もって呼び水効果が最大となるよう配慮すること。
四 株式会社日本政策投資銀行の株主として同行の業務の事業実績及び経営状況を十分監視すること。
五 民間金融機関による資金供給を公的観点から支援するという株式会社日本政策投資銀行の役割に応じた適切なリスクを取ることが可能となるよう、同行の経営状況について、その投資損益等が適正なものとなるよう十分注視すること。
六 多額の公的資金が投入される特定投資業務に対し、国会の行政監視機能が十分に果たされるよう政府と株式会社日本政策投資銀行は取引内容に関して積極的に情報開示を行うこと。
七 地域経済の自立的発展を実現するためには、地域金融機関等の人材の育成が急務であることに鑑み、株式会社日本政策投資銀行から地域金融機関に対する先進的な金融ノウハウの提供や同行と地域金融機関等の協働等により、地域における人材育成が同行によって図られるよう適切な措置を講ずること。