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   金融商品取引法及び投資信託及び投資法人に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議

 

 政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。

 

一 投資運用業者によるコンプライアンスなどミドル・バックオフィス業務の投資運用関係業務受託業者への委託により、当該業務の執行について必要となる十分な知識及び経験を有する役員又は使用人が不要となる結果、コンプライアンス管理等の態勢が弱体化して顧客に不利益が及ぶことのないよう、当該業務の監督を適切に行う能力を有する役員又は使用人が備えるべき資質を監督指針などで明確に定めること。

 

二 投資運用関係業務受託業者の業務品質の向上を図るため、受託業務量が過大となることや委託元である投資運用業者から不当な圧力を受けることを防ぐとともに、委託元に対し業務上必要な情報提供を随時求めることができるよう必要な措置を講じること。

 

三 投資運用業への参入促進策の実施においては、競争環境が激化した場合であっても「顧客等の最善の利益を勘案しつつ、顧客等に対して誠実かつ公正に業務を遂行する義務」の徹底が図られ、他者を上回る投資収益を上げることを目指して投資先に関わる多様なステークホルダーの利益を犠牲にすることがないよう、投資運用業者に対して適切な監督を行うこと。

 

四 非上場株式の流通活性化策の実施においては、一般投資家が売り手の場合、買い手の特定投資家等との間の情報や知識の格差によって不利益を被ることを防ぐとともに、いわゆる小粒上場がその後の成長停滞の原因となっている現在の株式市場を改革し、上場を果たした企業に更なる成長資金を供給するという本来の株式市場の機能を向上させるため、必要な措置を検討すること。

 

五 「資産運用立国」に係る政策を進めるに当たり、短期的な株主利益を重視するのではなく、企業を取り巻く多様なステークホルダーの利益を重視することで長期的持続的な株主利益の実現を目指していくという考え方が我が国に定着するよう努めること。

 

六 本法に基づく制度の運用に当たっては、国民の財産を保護し健全な投資環境を守るため、金融経済教育や国民からの相談体制の拡充等を通じて、詐欺的な投資勧誘等に基づく被害を防止し、実効性のある検査及び監督が円滑に実施されるよう、金融庁及び財務局において必要な機構・定員を確保し、引き続き投資者保護に万全を期すこと。

 

 

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