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   所得税法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議

 

 政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。

 

一 所得税の定額減税の実施に当たっては、対象者が確実に減税措置を受けられるよう、適切な執行体制を確保するとともに、十分な周知・広報を行うほか、各事業者や自治体の事務負担にも配慮し、減税事務の円滑な実施に努めること。とりわけ、令和六年能登半島地震の被災地においては、被災地の実情に十分配慮した対応に努めること。

 

二 賃上げ促進税制については、中小企業の実態を踏まえ、長期にわたり実施されている同税制の効果の検証を行うとともに、新たに創設された上乗せ要件が子育てと仕事の両立支援や女性活躍支援に与える効果についても的確に把握するよう努めること。

 

三 新たに創設される各種の企業関係税制については、今後、各措置の適用実態を検証し、企業等の行動変容を促すインセンティブ措置として機能しているか否か等の観点から、政策効果や必要性をよく見極めた上で、一部の企業等に対する過度の優遇にならないよう、不断の見直しを行うこと。

 

四 今般の政治資金を巡る問題を踏まえ、税制は国民の理解と信頼の上に成り立っているとの認識の下、国民からの税に対する信頼を損なわないよう、課税上問題があると認められる場合には適時・適切に税務調査を行うなど、適正、公平な課税の実現に努めること。

 

五 適格請求書等保存方式(インボイス制度)が実施されたことにより、事業者間取引において不当な扱いが生じているといった意見があることを踏まえ、中小・小規模事業者に対する不当な扱いを防止するための取引環境の整備への取組を強化すること。

 

六 高水準で推移する申告件数及び滞納税額、経済取引のグローバル化・デジタル化による調査・徴収事務等の複雑・困難化、新たな経済活動の拡大、軽減税率制度やインボイス制度の実施への対応など社会情勢の変化による事務量の増大に鑑み、適正かつ公平な課税及び徴収の実現を図り、国の財政基盤である税の歳入を確保するため、国税職員の定員確保、職務の困難性・特殊性を適正に評価した給与水準の確保など処遇の改善、機構の充実及び職場環境の整備に特段の努力を払うこと。

  特に、社会的関心の高い消費税の不正還付防止への対応、国際的な租税回避行為や富裕層への対応を強化し、更には納税者全体への税務コンプライアンス向上を図るため、定員の拡充及び職員の育成等、従来にも増した税務執行体制の強化に努めること。

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