所得税法等の一部を改正する法律案委員会修正要旨
一 所得税の基礎控除等の特例
令和七年分以後の各年分において、居住者のその年分の合計所得金額が六百五十五万円(令和九年分以後の各年分にあっては、百三十二万円)以下である場合における所得税の基礎控除の額は、原案の金額に次の金額を加算した額とする等の特例を創設すること。
1 令和七年分及び令和八年分 次の区分に応じそれぞれ次に定める金額
㈠ 合計所得金額が百三十二万円以下である場合 三十七万円
㈡ 合計所得金額が百三十二万円を超え三百三十六万円以下である場合 三十万円
㈢ 合計所得金額が三百三十六万円を超え四百八十九万円以下である場合 十万円
㈣ 合計所得金額が四百八十九万円を超える場合 五万円
2 令和九年分以後の各年分 三十七万円
二 所得税の抜本的な改革に係る措置等
1 所得税の抜本的な改革に係る措置
㈠ 政府は、我が国の経済社会の構造変化を踏まえ、各種所得の課税の在り方及び人的控除をはじめとする各種控除の在り方の見直しを含む所得税の抜本的な改革について検討を加え、その結果に基づき、必要な法制上の措置を講ずるものとすること。
㈡ ㈠の検討に当たっては、基礎控除等の額が定額であることにより物価が上昇した場合に実質的な所得税の負担が増加するという課題への対応について、所得税の源泉徴収をする義務がある者の事務負担への影響も勘案しつつ、物価の上昇等を踏まえて基礎控除等の額を適時に引き上げるという基本的方向性により、具体的な方策を検討するものとすること。
2 所得税の基礎控除の特例の実施に要する財源の確保に係る措置
政府は、令和七年度末までに、歳入及び歳出における措置を通じた所得税の基礎控除の特例の実施に要する財源の確保について、1の検討と併せて検討を加え、その結果に基づき、必要な措置を講ずるものとすること。
三 その他
一は令和七年十二月一日から、二は同年四月一日からそれぞれ施行することとし、その他所要の措置を講ずること。