刑事に関する共助に関する日本国とカナダとの間の条約の締結について承認を求めるの件(条約第八号)概要
本件は、標記の条約の締結について、国会の承認を求めるものである。
この条約は、我が国とカナダとの間の捜査、訴追その他の刑事手続に関する共助を実施するための枠組みについて定めるものであり、その主な内容は次のとおりである。
一 各締約国は、他方の締約国の請求に基づき、他方の締約国における犯罪に関する捜査、訴追その他の刑事手続についてこの条約の規定に従って共助を実施し、被請求国は、この条約に別段の定めがある場合を除くほか、請求国における捜査、訴追その他の刑事手続の対象となる行為が自国の法令によれば犯罪を構成するか否かにかかわらず、共助を実施すること。
二 共助には、⑴証言又は供述の取得、⑵映像及び音声の送受信による通話を通じた証言又は供述の取得を可能とすること、⑶物件(証拠となる書類、記録その他の物)の取得(捜索又は差押えその他の裁判所の命令の執行によるものを含む。)、⑷人、物件又は場所の見分(捜索又は差押えその他の裁判所の命令の執行によるものを含む。)、⑸人、物件若しくは場所又はこれらの所在地の特定、⑹被請求国の立法機関、行政機関若しくは司法機関又は地方公共団体の保有する物件の提供、⑺捜査、訴追その他の刑事手続のために請求国における出頭が求められている者に対する招請の伝達、⑻拘禁されている受刑者の身柄の一時的な移送であって、証言又は捜査、訴追その他の刑事手続における協力のためのもの、(9)刑事手続に関する文書の送達、⑽犯罪の収益又は道具の没収及び保全並びにこれらに関連する手続についての共助等を含むこと。
三 各締約国はこの条約の運用及び実施について責任を有する中央当局を指定すること。日本国の中央当局については法務大臣若しくは国家公安委員会又はこれらがそれぞれ指定する者とし、カナダの中央当局についてはカナダ司法大臣又は同大臣が指定する者とすること。
四 両締約国の中央当局は、この条約の実施に当たって、相互に直接連絡を行うこと。
五 被請求国の中央当局は、請求国における捜査、訴追その他の刑事手続の対象となる行為が自国の法令によれば犯罪を構成しないと認める場合であって、請求された共助の実施に当たり自国の法令に基づく裁判所の命令その他の強制措置が必要であると認めるとき等においては、共助を拒否することができること。
六 両締約国の中央当局は、この条約に基づく迅速かつ効果的な共助の実施を促進する目的のために必要な協議を行うものとし、当該目的に必要な措置について決定することができること。

