民法等の一部を改正する法律案(内閣提出第五一号)の概要
本案は、特別養子制度の利用を促進するため、養子となる者の年齢の上限を引き上げるとともに、特別養子適格の確認の審判の新設、特別養子縁組の成立の審判に係る規定の整備、児童相談所長が特別養子適格の確認の審判の手続に参加することができる制度の新設等の措置を講じようとするもので、その主な内容は次のとおりである。
一 民法の一部改正
1 特別養子縁組の成立の審判の申立時に15歳に達していない者は、養子となることができるものとするとともに、15歳に達する前から引き続き養親となる者に監護されており、15歳に達するまでに申立てがされなかったことについてやむを得ない事由がある場合には、申立時に15歳以上であっても養子となることができるもの等とすること。
2 特別養子縁組が成立するまでに18歳に達した者は、養子となることができないものとすること。
二 家事事件手続法の一部改正
1 特別養子適格の確認の審判の新設
特別養子縁組を2段階の審判によって成立させるものとし、父母による養子となるべき者の監護が著しく困難であること、養子となるべき者の父母の同意等の要件がある場合に、第1段階の審判として、特別養子適格の確認の審判をすることができる旨の規定を設けるものとすること。
2 特別養子縁組の成立の審判に係る規律の見直し
㈠ 第2段階の特別養子縁組の成立の審判における養子となるべき者は、特別養子適格の確認の審判を受けた者でなければならない旨の規定を設けるものとすること。
㈡ 養子となるべき者の父母は、特別養子縁組の成立の審判の手続に参加することができない旨の規定を設けるものとすること。
3 1の特別養子適格の確認の審判の手続においてされた子の父母の同意について、撤回を制限する旨の規定を設けるものとすること。
三 児童福祉法の一部改正
児童相談所長が、二の1の特別養子適格の確認の審判の申立てをすることができることとするとともに、同審判の手続に参加することができることとする規定を設けるものとすること。
四 施行期日
この法律は、一部の規定を除き、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行するものとすること。