薬物使用等の罪を犯した者に対する刑の一部の執行猶予に関する法律案(内閣提出第三八号)(参議院送付)の概要
本案は、近年、薬物使用等の罪を犯した者の再犯防止が重要な課題となっていることに鑑み、刑事施設における処遇に引き続き保護観察処遇を実施することにより、薬物使用等の罪を犯した者が再び犯罪をすることを防ぐため、これらの者に対する刑の一部の執行猶予に関し、その言渡しをすることができる者の範囲及び猶予の期間中の保護観察等について刑法の特則を定めようとするもので、その主な内容は次のとおりである。
一 刑の一部の執行猶予の特則
薬物使用等の罪を犯した者が、その罪又はその罪及び他の罪について三年以下の懲役又は禁錮の言渡しを受けた場合において、犯情の軽重及び犯人の境遇その他の情状を考慮して、刑事施設における処遇に引き続き社会内においても規制薬物等に対する依存の改善に資する処遇を実施することが、再び犯罪をすることを防ぐために必要であり、かつ、相当であると認められるときは、一年以上五年以下の期間、その刑の一部の執行を猶予することができるものとすること。
二 刑の一部の執行猶予中の保護観察の特則
一の者に刑の一部の執行猶予の言渡しをするときは、猶予の期間中保護観察に付するものとすること。
三 施行期日
この法律は、刑法等の一部を改正する法律の施行の日から施行するものとすること。