更生保護制度の充実を図るための保護司法等の一部を改正する法律案(内閣提出第三号)概要
本案は、更生保護制度の充実を図るため、保護司の委嘱条件の見直し、任期の延長及び職務の執行区域の弾力化、保護観察付全部執行猶予者の鑑別に関する規定の新設による適切な保護観察処遇の実施等、保護司の適任者を確保し、その活動環境を改善し、その安全を確保するための措置を講ずるとともに、更生保護事業における保護の対象者の拡大等の措置を講じようとするもので、その主な内容は次のとおりである。
一 保護司の適任者確保
保護司の使命及び委嘱条件を見直し、保護司に関する広報や関係機関との連携を保護観察所の長の責務として規定し、保護司の任期を延長すること。
二 保護司の活動環境の改善
保護司の活動拠点である更生保護サポートセンターの法定、保護観察所の長による保護司会等への支援規定の新設、地方公共団体による保護司会等への協力規定の整備、民間企業による保護司である従業者への配慮規定の新設等をすること。
三 保護司の安全確保
保護司が安全に安心して活動できるようにするため、保護司の面接場所の確保等を国の責務として規定し、保護司が面接場所を柔軟に選択できるよう職務の執行区域を弾力化し、保護観察所の長が保護観察対象者の再犯リスク等を的確に把握できるよう公務所等への照会規定を新設すること。
四 その他更生保護制度の充実
生活環境の調整を行う対象者及び更生保護事業における保護の対象者の拡大、地方公共団体による更生保護事業や更生保護活動に対する協力規定の整備等をすること。
五 施行期日
この法律は、一部の規定を除き、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行すること。

