(環境委員会)
遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第三二号)概要
本案は、バイオセーフティに関するカルタヘナ議定書の責任及び救済に関する名古屋・クアラルンプール補足議定書の的確かつ円滑な実施を確保するため、所要の措置を講じようとするもので、その主な内容は次のとおりである。
一 この法律の目的に、バイオセーフティに関するカルタヘナ議定書の責任及び救済に関する名古屋・クアラルンプール補足議定書(以下「補足議定書」という。)の的確かつ円滑な実施の確保を加えること。
二 基本的事項に、遺伝子組換え生物等の使用等により生ずる影響であって、生物の多様性(生物の多様性の確保上特に重要なものとして環境省令で定める種又は地域に係るものに限る。以下二において同じ。)を損なうもの又は損なうおそれの著しいものが生じた場合における当該影響による生物の多様性に係る損害の回復を図るための施策の実施に関する基本的な事項を加えること。
三 措置命令の追加
1 環境大臣は、違法に遺伝子組換え生物等の第一種使用等又は第二種使用等がなされている場合又はなされた場合において、当該使用等により生ずる影響であって、生物の多様性(生物の多様性の確保上特に重要なものとして環境省令で定める種又は地域に係るものに限る。以下同じ。)を損なうもの又は損なうおそれの著しいものが生じたと認めるときは、当該使用等をしている者又はした者に対し、当該影響による生物の多様性に係る損害の回復を図るため必要な措置を執るべきことを命ずることができるものとすること。
2 環境大臣は、違法に遺伝子組換え生物等の譲渡若しくは提供又は委託による使用等がなされた場合において、遺伝子組換え生物等の使用等により生ずる影響であって、生物の多様性を損なうもの又は損なうおそれの著しいものが生じたと認めるときは、当該遺伝子組換え生物等を譲渡し、若しくは提供し、又は委託して使用等をさせた者に対し、当該影響による生物の多様性に係る損害の回復を図るため必要な措置を執るべきことを命ずることができるものとすること。
四 環境大臣は、次に掲げる場合には、主務大臣に協議しなければならないものとすること。
1 二及び三の環境省令を制定し、又は改廃しようとするとき
2 三の規定による命令をしようとするとき
五 三の規定による命令に違反した者は、一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科するものとすること。
六 この法律は、補足議定書が日本国について効力を生ずる日から施行すること。