高圧ガス保安法等の一部を改正する法律案(内閣提出第五〇号)概要
本案は、産業保安分野における技術革新の進展及び保安人材の不足、電力の供給構造の変化、災害の激甚化・頻発化、気候変動問題への対応の要請等の環境変化に対応し、産業保安規制体系の転換を図るため、高度な情報通信技術を活用した保安の促進、ガス事業者間の災害時の連携強化、小規模な太陽光・風力発電設備の保安規制の見直し、カーボンニュートラルの実現に向けた燃料電池自動車に係る保安規制の整備等の措置を講ずるものであり、その主な内容は次のとおりである。
一 高圧ガス保安法の一部改正
1 燃料電池自動車等について高圧ガス保安法の適用を除外し、道路運送車両法に規制を一元化すること。
2 高度な情報通信技術を用いて自立的に高度な保安を確保できる高圧ガス製造事業者について、「認定高度保安実施者」として規制の特例を設けること。
二 ガス事業法の一部改正
1 高度な情報通信技術を用いて自立的に高度な保安を確保できるガス小売事業者等について、「認定高度保安実施ガス小売事業者」等として規制の特例を設けること。
2 一般ガス導管事業者は、災害時における事業者間の連携に関する計画を策定し、経済産業大臣に届け出なければならないものとすること。
三 電気事業法の一部改正
1 小規模な太陽光・風力発電設備を「小規模事業用電気工作物」と位置付け、設備の設置者の基礎情報の届出、技術基準への適合維持及び使用前の自己確認等を義務付けること。
2 一定の風力発電設備について、経済産業大臣の登録を受けた民間の専門機関である「登録適合性確認機関」が技術基準の適合性を確認する制度を設けること。
3 高度な情報通信技術を用いて自立的に高度な保安を確保できる事業用電気工作物の設置者について、「認定高度保安実施設置者」として規制の特例を設けること。
四 情報処理の促進に関する法律の一部改正
保安に係るサイバーセキュリティに関する重大な事態が生じた場合等における原因究明調査を独立行政法人情報処理推進機構の業務に追加すること。
五 施行期日
この法律は、一部の規定を除き、一年六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行すること。