貿易保険法の一部を改正する法律案(内閣提出第二八号)概要
本案は、本邦企業の国際的な事業展開を取り巻く環境の変化に対応して、円滑な外国貿易その他の対外取引の進展を図るため、輸出入、貸付け及び海外投資に係る貿易保険の塡補事由等の拡大、新たな貿易保険の創設、株式会社日本貿易保険による外国法人への出資業務の追加等の措置を講ずるものであり、その主な内容は次のとおりである。
一 業務の範囲等に係る規定の見直し
株式会社日本貿易保険の業務に、経済産業大臣の認可を受けて、貿易保険により塡補される損失と同種の損失についての保険(再保険を含む。)の事業を行う外国法人に対する出資を行うことができることを追加すること。
二 普通貿易保険の拡充
1 普通貿易保険が塡補する損失として、輸出者等が輸出契約等の相手方の保険契約で定める期間以上の債務の履行遅滞(当該輸出契約等に基づく債務以外の輸出者等に対する債務に係るものを含み、輸出者等の責めに帰することができないものに限る。)等により受ける損失を追加すること。
2 普通貿易保険が塡補する損失として、輸出者等が仕向国において実施される輸入の制限又は禁止等により、運賃その他の政令で定める費用を新たに負担すべきこととなったことにより受ける損失を追加すること。
三 海外投資保険の拡充
海外投資保険が塡補する損失として、海外投資を行った者が株式等(海外投資の相手方の出資(二以上の段階にわたる出資を含む。)に係る外国法人の株式等を含む。)の元本等を外国政府等により奪われたこと等により受ける損失を追加すること。
四 スワップ取引保険及び信用状確認保険の新設
株式会社日本貿易保険は、スワップ取引保険及び信用状確認保険を引き受けることができるものとすること。
五 施行期日
この法律は、一部の規定を除き、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行すること。