衆議院

メインへスキップ



   脱炭素社会の実現に向けた電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律案(内閣提出第二六号)要旨

 本案は、我が国における脱炭素社会の実現に向けて、非化石エネルギー源の利用の促進を図りつつ電気の安定供給を確保するため、電気の安定供給の確保等の観点から発電用原子炉の運転期間を定めるとともに、その設置者に対し、長期間運転する発電用原子炉施設に関する技術的な評価の実施及び管理計画の作成を義務付けるほか、使用済燃料再処理機構の業務への廃炉の推進に関する業務の追加、再生可能エネルギー発電事業計画の認定の取消しに伴う交付金の返還命令の創設その他の規律の強化等の措置を講ずるものであり、その主な内容は次のとおりである。

一 電気事業法の一部改正

  発電用原子炉の運転期間を四十年と定めた上で、原子力発電事業者が、原子力規制委員会による運転停止命令等を受けていないこと等の基準に適合していると認められるときに限り、経済産業大臣が認可し、六十年まで運転期間の延長を認めること。その際、安全規制に係る制度の変更等の予見し難い事由により運転を停止した期間と認められる期間に限り、六十年の運転期間のカウントから除外すること。

二 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部改正

  発電用原子炉設置者に対して、運転を開始した日から起算して三十年を超えて発電用原子炉を運転しようとするときは、あらかじめ、その発電用原子炉施設について、十年を超えない期間ごとに、当該施設の劣化に関する技術的な評価を行い、その劣化を管理するための措置等を記載した長期施設管理計画を作成し、原子力規制委員会の認可を受けること等を義務付けること。

三 原子力発電における使用済燃料の再処理等の実施に関する法律の一部改正

  使用済燃料再処理機構の業務に廃炉推進業務を追加した上で、同機構の名称を「使用済燃料再処理・廃炉推進機構」に改め、実用発電用原子炉設置者等に対して同機構への廃炉拠出金の納付を義務付けること。

四 再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法の一部改正

  再生可能エネルギー発電事業計画の認定の要件に、その事業の実施内容を周辺地域の住民に周知することを加えるとともに、認定基準に違反する認定事業者に対して、交付金による支援額の積立てを命ずる措置を創設するなど、事業規律の強化等を行うこと。

五 原子力基本法の一部改正

  エネルギーとしての原子力利用に当たっての国及び原子力事業者の責務の明確化等の措置を講ずること。

六 施行期日

  この法律は、一部の規定を除いて、令和六年四月一日から施行すること。

衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.