趣旨説明
脱炭素成長型経済構造への円滑な移行のための低炭素水素等の供給及び利用の促進に関する法律案(内閣提出第一六号)概要
本案は、低炭素水素等の供給及び利用を早期に促進するため、「低炭素水素等」の定義、基本方針の策定等、計画認定制度の創設、認定を受けた事業者に対する支援措置、水素等の供給を行う事業者が取り組むべき措置に関する判断基準の策定等の措置を講ずるものであり、その主な内容は次のとおりである。
一 「低炭素水素等」の定義
「低炭素水素等」の定義については、水素等(水素、アンモニア、合成燃料、合成メタン)であって、製造に伴って排出される二酸化炭素の量が一定の値以下であること等の要件に該当するものとすること。
二 基本方針の策定等
主務大臣は、環境大臣その他関係行政機関の長に協議した上で、低炭素水素等の供給及び利用の促進に関する基本的な方針を定めることとすること。また、国の責務として、規制の見直し等の必要な事業環境整備等を講ずる旨を規定するほか、関係地方公共団体や事業者の責務規定を創設
三 計画認定制度の創設
低炭素水素等供給事業者又は低炭素水素等利用事業者は、単独で又は共同して、低炭素水素等供給等事業に関する計画を作成し、その内容が要件を満たす場合には、主務大臣の認定を受けることができ、「価格差に着目した支援」、「拠点整備支援」を希望する場合には、その計画が、供給事業者と利用事業者が共同で作成したものであること等を追加的な要件とすること。
四 認定を受けた事業者に対する措置
「価格差に着目した支援」や「拠点整備支援」として、独立行政法人エネルギー・金属鉱物資源機構が助成金を交付すること。また、認定を受けた計画に基づく設備について、経済産業大臣の製造の承認を受ければ、低炭素水素等である高圧ガスの製造開始から三年間、都道府県知事に代わり、経済産業大臣が、その保安を確保するための検査を行うことを可能とする等の高圧ガス保安法の特例を創設するほか、導管等の円滑な整備を図るため、港湾法や道路占用の特例を創設すること。
五 水素等の供給を行う事業者が取り組むべき措置に関する判断基準の策定
水素等の供給事業者による低炭素水素等の供給を促進するため、経済産業大臣は、事業者の判断基準を定めることとし、必要があると認めるときは、指導及び助言を行うことができるものとするとともに、政令で定める一定の量以上の水素等を供給する事業者に対して勧告等を行うことができるものとすること。
六 施行期日
この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行すること。