自動車損害賠償保障法及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第三六号)(参議院送付)概要
本案は、自動車事故による被害者の保護の増進及び自動車事故の発生の防止を一層図るため、所要の措置を講じようとするもので、その主な内容は次のとおりである。
一 自動車損害賠償保障法の一部改正
1 この法律は、自動車の運行によって人の生命又は身体が害された場合における損害賠償を保障する制度を確立するとともに、これを補完する措置を講ずることにより、被害者の保護を図り、あわせて自動車運送の健全な発達に資することを目的とすること。
2 指定紛争処理機関による紛争処理に対する時効の完成猶予効の付与等を行うこと。
3 自動車事故対策事業の創設
㈠ 政府は、自動車事故対策事業として、自動車損害賠償保障事業及び被害者保護増進等事業を行うこと。
㈡ 政府は、被害者保護増進等事業として、被害者の保護の増進を図るために必要な業務及び自動車事故の発生の防止を図るために必要な業務を行うこと。
㈢ 国土交通大臣は、被害者保護増進等事業の安定的かつ効果的な実施を図るため、被害者保護増進等計画を作成すること。
㈣ 保険会社等は、自動車事故対策事業に必要な費用に充てるため、政令で定める金額を、自動車事故対策事業賦課金として政府に納付しなければならないものとすること。
二 特別会計に関する法律の一部改正
1 自動車安全特別会計は、自動車事故対策事業及び自動車検査登録等事務に関する政府の経理を明確にすることを目的とし、同特別会計は、自動車事故対策勘定及び自動車検査登録勘定に区分すること。
2 自動車事故対策勘定においては、この法律の規定により同勘定に帰属した資産の価額から負債の価額を控除した額(自動車事故対策計画に基づく交付等に係るものに限る。)に相当する金額をもって基金とすること。
3 自動車事故対策勘定においては、毎会計年度の歳入歳出の決算上剰余金が生じた場合、当該剰余金のうち、被害者保護増進等計画を安定的に実施するために必要な金額を積立金として積み立てるものとすること。
三 この法律は、一部を除き、令和五年四月一日から施行すること。