港湾法等の一部を改正する法律案(内閣提出第一三号)概要
本案は、近年の気候変動等に対応して港湾の保全及び円滑な利用の確保を図るため、所要の措置を講じようとするもので、その主な内容は次のとおりである。
一 港湾法の一部改正
1 港湾管理者は、気候変動に伴う海水面の上昇等から港湾の保全を図るための官民協働の取組を促進するための協働防護計画を作成すること及び同計画の作成・実施に関する必要な協議を行う協働防護協議会を組織することができることとし、同計画に基づく取組を促進するための協定制度を創設すること。
2 海洋再生可能エネルギー発電設備等取扱埠頭を構成する行政財産の貸付けを受けている者が、貸付けを受けた行政財産とは別の行政財産の一時的な利用を希望する場合、国土交通大臣に対し、利用調整協議会を組織するよう要請できることとし、国土交通大臣は、要請に係る一時的な利用が海洋再生可能エネルギー発電設備等の設置及び維持管理の円滑な実施に資すると認めるときは、利用調整協議会を組織すること。
3 国土交通大臣は、港湾管理者から要請があり、当該港湾管理者における工事の実施体制等地域の実情を勘案して、自らが当該港湾管理者の管理する港湾施設の改良に関する工事を行うことが適当であると認められる場合は、当該港湾管理者に代わってこれを行うことができること。
4 港湾管理者は、港湾施設に非常災害による被害が発生した場合において、当該港湾施設を災害応急対策必要物資の流通に係る業務に使用するため応急の復旧を緊急に行う必要があり、他に手段がないと認めるときは、当該業務の現場において、他人の土石等を収用等することができること。
5 港湾管理者は、港湾施設に災害応急対策の拠点としての機能の確保を図るため必要があると認めるときは、荷さばき地、上屋等の港湾施設の所有者等との間で協定を締結して、災害時においてこれらの港湾施設を使用することができること。
二 北海道開発のためにする港湾工事に関する法律及び沖縄振興特別措置法の一部改正
1 国土交通大臣は、自らが港湾工事をする場合において必要があると認めるときは、港湾管理者と協議の上、当該工事に必要な限度で、当該港湾管理者に代わってその権限を行うこと。
2 国土交通大臣は、自らが行った港湾工事によって生じた海洋再生可能エネルギー発電設備等取扱埠頭を構成する行政財産を事業者に貸し付けることができることとし、その場合、当該行政財産について利用調整協議会における調整の対象とすること。
三 この法律は、一部を除き、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行すること。