住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出第五二号)(参議院送付)要旨
本案は、住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進及びその居住の安定の確保を一層図るため、居住安定援助計画及び住宅確保要配慮者の家賃債務の保証に関する業務を行う家賃債務保証業者の認定制度の創設、住宅確保要配慮者居住支援法人の業務の拡大、終身賃貸事業者が行う事業に係る認可手続の見直し等の措置を講じようとするもので、その主な内容は次のとおりである。
一 住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律の一部改正
1 国土交通大臣及び厚生労働大臣は、住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する基本方針を定めなければならないこと。また、基本方針において定める事項に、賃貸住宅に入居する住宅確保要配慮者に対する日常生活を営むために必要な援助等の福祉サービスの提供体制の確保に関する基本的な事項を追加すること。
2 都道府県賃貸住宅供給促進計画及び市町村賃貸住宅供給促進計画において記載する事項に、賃貸住宅に入居する住宅確保要配慮者に対する日常生活を営むために必要な援助等の福祉サービスの提供体制の確保に関する事項を追加すること。
3 賃貸住宅に日常生活を営むのに援助を必要とする住宅確保要配慮者を入居させ、訪問等により入居者の状況を把握し、その状況に応じた利用可能な福祉サービスに関する情報を提供する等、住宅確保要配慮者の生活の安定を図るために必要な援助を行う事業に関する居住安定援助計画の認定制度を創設するとともに、当該認定を受けた居住安定援助計画に記載された住宅に係る特例の規定を設けること。
4 住宅確保要配慮者居住支援法人が行う業務として、賃借人である住宅確保要配慮者が死亡した場合における当該住宅に存する動産の保管、処分等に関する業務を追加すること。
5 家賃債務保証業者の大臣による認定制度を創設するとともに、住宅金融支援機構は、認定家賃債務保証業者が住宅確保要配慮者の家賃債務の保証を行った場合の家賃債務保証保険契約を可能とすること。
6 地方公共団体は、住宅確保要配慮者居住支援法人、宅地建物取引業者、社会福祉協議会等により構成される住宅確保要配慮者居住支援協議会を置くように努めなければならないこと。
二 都道府県知事による登録を受けたサービス付き高齢者向け住宅について、都道府県知事の承認による目的外使用の仕組みを設ける とともに、 終身賃貸事業者が行う事業に係る認可手続の簡素化を図る ため、高齢者の居住の安定確保に関する法律を改正すること。
三 住宅金融支援機構による債権の譲受けの対象に、高齢者等が居住性能の向上等を目的として行う住宅の改良に必要な資金の貸付けを追加するため、独立行政法人住宅金融支援機構法を改正すること。
四 この法律は、一部を除き、公布の日から起算して一年六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行すること。