公共工事の品質確保の促進に関する法律の一部を改正する法律案(国土交通委員長提出、衆法第11号)概要
本案は、公共工事の品質確保の促進を図るため、基本理念、発注者の責務等として、災害復旧工事等の迅速かつ円滑な実施のための体制整備、適正な工期等による請負契約の締結、情報通信技術の活用等を通じた生産性の向上等について定めるとともに、公共工事に関する調査等(測量、地質調査その他の調査(点検及び診断を含む。)及び設計)の位置付けを改めようとするもので、その主な内容は次のとおりである。
一 公共工事に関する調査等を定義に追加し、この法律における位置付けを改めること。
二 基本理念の改正
1 公共工事の品質は、地域における公共工事の品質確保の担い手が育成・確保されるとともに、災害復旧工事等が迅速かつ円滑に実施される体制が整備されることにより、将来にわたり確保されなければならないこと。
2 公共工事の品質は、公共工事等における下請契約を含む請負契約が適正な額の請負代金及び適正な工期等で締結され、公共工事等に従事する者の労働条件、労働環境の適正な整備について配慮がなされることにより、確保されなければならないこと。
3 公共工事の品質確保に当たっては、調査等、施工及び維持管理の各段階における情報通信技術の活用等を通じて、その生産性の向上が図られるように配慮されなければならないこと。
三 発注者の責務の改正
1 災害時においては、緊急性に応じた適切な入札及び契約の方法を選択するよう努めること。
2 地域における公共工事等の実施の時期の平準化を図るため、繰越明許費又は債務負担行為等の活用による翌年度にわたる工期等の設定、他の発注者との連携による中長期的な公共工事等の発注の見通しの作成及び公表等の必要な措置を講ずること。
3 公共工事等に従事する者の休日等を考慮し、適正な工期等を設定すること。
4 災害復旧工事等が迅速かつ円滑に実施されるよう、あらかじめ、建設業者団体等との災害復旧工事等の実施に関する協定の締結等に努めること。
四 公共工事等を実施する者は、下請負人に使用される技能労働者等の労働条件、労働環境が適正に整備されるよう、適正な額の請負代金及び適正な工期等を定める下請契約を締結しなければならないこと。
五 国及び都道府県は、発注関係事務に関し助言等を適切に行う能力を有する者の活用の促進等に努めなければならないこと。
六 この法律は、公布の日から施行すること。