関西国際空港及び大阪国際空港の一体的かつ効率的な設置及び管理に関する法律案(内閣提出第47号)(参議院送付)の概要
本案は、関西国際空港の我が国の国際拠点空港としての機能の再生及び強化並びに関西における航空輸送需要の拡大を図るため、関西国際空港及び大阪国際空港(以下「両空港」という。)の一体的かつ効率的な設置及び管理に必要な措置を定めようとするもので、その主な内容は次のとおりである。
一 この法律は、両空港の一体的かつ効率的な設置及び管理に必要な措置を定めることにより、関西国際空港の整備に要した費用に係る債務の早期の確実な返済を図りつつ、関西国際空港の我が国の国際拠点空港としての機能の再生及び強化並びに両空港の適切かつ有効な活用を通じた関西における航空輸送需要の拡大を図り、もって航空の総合的な発達に資するとともに、我が国の産業、観光等の国際競争力の強化及び関西における経済の活性化に寄与することを目的とすること。
二 国土交通大臣は、両空港の一体的かつ効率的な設置及び管理に関する基本方針を定めるものとし、当該基本方針を定めようとするときは、七の協議会の意見を聴くものとすること。
三 両空港の設置及び管理を一体的かつ効率的に行うこと等を目的とする新関西国際空港株式会社(以下「会社」という。)を設立し、政府は、常時、会社の発行済株式の総数を保有していなければならないこと。
四 会社は、その目的を達成するため、次の事業等を営むこと。
1 両空港及び両空港航空保安施設の設置及び管理
2 両空港の機能を確保するために必要な航空旅客取扱施設等及び両空港を利用する者の利便に資するために敷地内に建設することが適当であると認められる事務所等の建設及び管理
3 大阪国際空港の周辺における航空機の騒音その他の航空機の運航により生ずる障害を防止し、若しくはその損失を補償するため、又は大阪国際空港の周辺における生活環境の改善に資するために行う事業
五 関西国際空港の空港用地の保有及び管理は、国土交通大臣が指定する株式会社(指定会社)が行い、指定会社は当該空港用地を会社に貸し付けること。また、その貸付料等について、あらかじめ、国土交通大臣の認可を受けなければならないこと。
六 会社が民間資金法の規定により特定空港運営事業を選定する場合には、当該事業は、公共施設等運営権を設定することにより実施されるものでなければならないこと。
七 会社は、両空港の一体的かつ効率的な設置及び管理の円滑な実施を図るために必要な協議を行うための協議会を組織することができること。
八 この法律は、一部の規定を除き、公布の日から起算して一年六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行すること。