(国土交通委員会)
離島振興法の一部を改正する法律案(国土交通委員長提出、衆法第十二号)概要
本案は、離島が我が国及び国民の利益の保護及び増進に重要な役割を担っていることに鑑み、離島振興法の有効期限を十年延長するとともに、離島振興施策の一層の充実を図るための所要の改正を行おうとするもので、その主な内容は次のとおりである。
一 目的規定において、離島が担っている重要な役割として、多様な再生可能エネルギーの導入及び活用を追加するとともに、本法により離島の基礎条件の改善等に関する対策を樹立し、これに基づく事業を実施する等に当たっては、離島と継続的な関係を有する島外の人材も活用しつつ行うべきことを明記すること。
二 都道府県の責務として、その区域の自然的社会的諸条件に応じた離島振興施策の策定及び実施並びに離島振興対策実施地域である市町村相互間の広域的な連携の確保及びこれらの市町村に対する情報提供等の援助に関する努力義務を定めること。
三 離島振興基本方針等において、本土と離島の交通を確保するために整備すべき交通施設に、橋りょう等が含まれることを明記すること。
四 離島振興計画に定めるべき事項として、離島の振興に関する目標、計画期間及び計画の達成状況の評価を追加すること。また、同計画に、離島振興対策実施地域の特性に応じた産業振興の促進に関する事項を記載できることとし、離島振興対策実施地域である市町村相互間の広域的な連携の確保及びこれらの市町村に対する情報提供等の援助についても必要に応じて記載するよう努めること。
五 国が毎年度公表すべき離島振興対策実施地域の活性化に資する事業等として、離島振興対策実施地域における石油製品の価格の低廉化に関する事業を例示すること。
六 国及び地方公共団体は、離島振興対策実施地域における医療の充実並びに情報の流通の円滑化及び通信体系の充実に特別の配慮をすること。
七 離島振興対策実施地域における介護サービス、交通、産業、教育、エネルギー等の分野における施策についての国及び地方公共団体による配慮規定の充実を図るとともに、感染症が発生した場合等における住民の生活の安定等に関する配慮規定、小規模な離島への配慮規定等を追加すること。
八 離島振興法の有効期限を令和十五年三月三十一日まで十年間延長すること。
九 この法律は、一部の規定を除き、令和五年四月一日から施行すること。
十 国は、本法の施行後五年を経過した場合において、本法による改正後の離島振興法の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずること。