衆議院

メインへスキップ



肝炎対策基本法案(厚生労働委員長提出、衆法第7号)概要

 本案は、我が国には肝炎ウイルスに感染し、あるいは肝炎に罹患した者が多数存在すること、肝炎が適切な治療を行わないまま放置すると慢性化し、肝硬変、肝がんといったより重篤な疾病に進行するおそれがあることにかんがみ、肝炎対策に係る施策の基本理念を定め、国、地方公共団体等の責務を明らかにし、肝炎対策を総合的に推進しようとするもので、その主な内容は次のとおりである。

一 肝炎が国内最大の感染症であること、現在においても早期発見や医療へのアクセスにはいまだ解決すべき課題が多いこと、B型肝炎及びC型肝炎ウイルスへの感染が国の責めに帰すべき事由によりもたらされ、又はその原因が解明されていなかったことによりもたらされたものがあること、薬害肝炎事件では感染被害の拡大を防止し得なかったことについて国が責任を認め、予防接種禍事件では最終の司法判断において国の責任が確定していること等を踏まえて制定した旨の前文を設けること。

二 肝炎に関する研究を推進し、その成果を普及・活用・発展させること、居住地域にかかわらず肝炎の検査及び適切な医療を受けることができるようにすること、施策の実施に当たって肝炎患者等であることを理由に差別されないように配慮することを肝炎対策の基本理念として定めること。

三 国、地方公共団体、医療保険者、国民及び医師等の責務を明らかにするとともに、政府は、肝炎対策を実施するため必要な法制上又は財政上の措置等を講じなければならないものとすること。

四 厚生労働大臣は、肝炎対策の総合的な推進を図るため、肝炎の予防及び医療の推進の基本的な方向等について定める肝炎対策基本指針を策定するものとし、当該指針を策定しようとするときは、肝炎患者等を代表する者、肝炎医療に従事する者及び学識経験のある者から構成される肝炎対策推進協議会の意見を聴くものとすること。

五 国及び地方公共団体は、肝炎患者が適切な肝炎医療を受けることができるよう、肝炎患者に係る経済的な負担を軽減するために必要な施策を講ずるものとすること。

六 肝硬変及び肝がんの患者に対する支援の在り方については、今後必要に応じ、検討が加えられるものとすること。

七 この法律は、平成二十二年一月一日から施行すること。

衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.