全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出16号)概要
本案は、全世代対応型の持続可能な社会保障制度を構築するため、所要の措置を講じようとするもので、その主な内容は次のとおりである。
一 出産育児一時金に係る費用の一部について、後期高齢者医療制度が支援する仕組みを導入すること。
二 国民健康保険の保険料について、産前産後期間における被保険者の保険料を免除し、その免除相当額を公費で支援すること。
三 後期高齢者医療制度における後期高齢者負担率の設定方法について、後期高齢者一人当たりの保険料と現役世代一人当たりの後期高齢者支援金の伸び率が同じとなるように見直すこと。
四 前期高齢者に係る医療給付費等を保険者間で調整する仕組みについて、被用者保険者間において報酬水準に応じて調整する仕組みの導入等を行うとともに、健康保険組合に対する交付金事業への財政支援の導入、後期高齢者支援金等の負担が過大となる保険者に対する財政支援の拡充を行うこと。
五 都道府県医療費適正化計画について、記載事項を充実させるとともに、計画の目標設定に際しては、医療及び介護の効果的かつ効率的な提供等の重要性に留意することとすること。また、都道府県ごとに保険者協議会を必置として計画の策定・評価に関与する仕組みを導入すること。
六 都道府県が策定する国民健康保険運営方針の運営期間の法定化等を行うこと。
七 経過措置として存続する退職者医療制度を廃止すること。
八 かかりつけ医機能について、国民への情報提供を強化するとともに、医療機関に都道府県知事への報告を求め、都道府県知事は、報告した医療機関がかかりつけ医機能の確保に係る体制を有することを確認し、その結果を外来医療に関する協議の場に報告・公表すること。
九 被保険者、介護サービス事業者その他の関係者が当該被保険者に係る介護情報等の共有及び活用を促進する事業を地域支援事業に位置付けること。
十 医療法人及び介護サービス事業者に経営情報の報告義務を課すとともに、当該情報に係るデータベースを整備すること。
十一 地域医療連携推進法人制度について、一定要件の下で個人立の医療機関等が参加できる仕組みを導入すること。
十二 持分の定めのない医療法人への移行計画認定制度について、期限の延長等を行うこと。
十三 この法律は、一部の規定を除き、令和六年四月一日から施行すること。