新型インフルエンザ等治療用特定医薬品の指定及び使用に関する特別措置法案(早稲田ゆき君外8名提出、衆法第6号)概要
本案は、新型コロナウイルス感染症をはじめとする新型インフルエンザ等の急速なまん延に対処し、国民の生命及び健康を保護するため、所要の措置を講じようとするもので、その主な内容は次のとおりである。
一 厚生労働大臣は、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく政府対策本部が設置され、国民の生命及び健康を保護するため緊急の必要があると認める場合であって、新型インフルエンザ等の治療に関し有用な既承認医薬品がないときにおいて、副作用が既知である他の疾病について承認された医薬品であって、最新の論文等により新型インフルエンザ等の治療に有用と認められる医薬品について、政府対策本部が廃止されるまでの間、当該医薬品を新型インフルエンザ等治療用特定医薬品として指定することができること。
二 一の指定は、医薬品の製造販売業者からの申請に基づき行うものとすること。ただし、当該申請を待ついとまがないときは、厚生労働大臣は、当該申請によらず、当該指定を行うことができるものとすること。
三 新型インフルエンザ等治療用特定医薬品の新型インフルエンザ等の治療における使用について、医療保険各法等の療養の給付として行われたものとみなすとともに、当該使用により人に有害な反応が発現したときは、医薬品副作用被害救済制度の対象とすること。
四 国は、新型インフルエンザ等治療用特定医薬品について、新型インフルエンザ等の発生及びまん延の状況に照らして必要となることが予測される数量を確保するため、当該新型インフルエンザ等治療用特定医薬品の買取りその他の必要な措置を講ずるとともに、地方公共団体等に適時かつ適切に配分されるよう、必要な措置を講ずるものとすること。
五 政府対策本部が廃止された場合等の指定の失効及び新型インフルエンザ等治療用特定医薬品に既知の副作用以外の健康被害が発生した場合等の指定の取消し等について定めること。
六 国は、感染症に係る医薬品の生産体制の整備及び研究開発の推進に関し、必要な財政上又は税制上の措置その他の措置を講ずるものとすること。
七 政府は、疾病の治療又は予防に関し使用価値を有する医薬品について、厚生労働大臣が特に必要と認める場合に、学会の意見を参考にして、その適正な使用の確保のために必要な条件及び期限を付してその使用を認める制度の整備について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすること。
八 この法律は、公布の日から施行すること。