予防接種法及び検疫法の一部を改正する法律案(内閣提出第1号)概要
本案は、現下の新型コロナウイルス感染症の発生の状況に対処するため、所要の措置を講じようとするもので、その主な内容は次のとおりである。
一 厚生労働大臣は、新型コロナウイルス感染症のまん延予防上緊急の必要があると認めるときは、その対象者、その期日又は期間及び使用するワクチンを指定して、都道府県知事を通じて市町村長に対し、臨時に予防接種を行うよう指示することができるものとすること。この場合において、都道府県知事は、市町村長に対し、必要な協力をするものとすること。
二 市町村長が行う新型コロナウイルス感染症に係る予防接種を臨時接種とみなして、予防接種法の規定を適用するものとすること。
三 市町村が支弁する新型コロナウイルス感染症に係る予防接種を行うために要する費用は、国が負担するものとすること。
四 予防接種の勧奨又は予防接種を受ける努力義務に関する予防接種法の規定は、新型コロナウイルス感染症のまん延の状況並びに当該感染症に係る予防接種の有効性及び安全性に関する情報その他の情報を踏まえ、政令で、当該規定ごとに対象者を指定して適用しないこととすることができるものとすること。
五 政府は、厚生労働大臣が新型コロナウイルス感染症に係るワクチンの供給に関する契約を締結するワクチン製造販売業者等を相手方として、当該契約に係るワクチンを使用する予防接種による健康被害に係る損害を賠償すること等により生ずる損失を政府が補償することを約する契約を締結することができるものとすること。
六 外国に検疫感染症以外の感染症が発生し、これについて検疫を行わなければ、その病原体が国内に侵入し、国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあるときは、政令で、感染症の種類を指定し、一年以内の期間を限り、当該感染症について検疫法の規定を準用することができることとされているところ、当該政令で定められた期間について、一年以内の政令で定める期間に限り延長することができるものとすること。
七 この法律は、公布の日から施行すること。