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   ハンセン病元患者家族に対する補償金の支給等に関する法律案(厚生労働委員長提出、衆法第3号)概要

 本案は、ハンセン病元患者家族の被った精神的苦痛を慰謝するための補償金の支給に関し必要な事項を定めるとともに、ハンセン病元患者家族等の名誉の回復等について定めようとするもので、その主な内容は次のとおりである。

一 「らい予防法」を中心とする国の隔離政策により、ハンセン病元患者家族等が、偏見と差別の中で、ハンセン病元患者との間で望んでいた家族関係の形成が困難になる等長年にわたり多大の苦痛と苦難を強いられてきたにもかかわらず、国会及び政府においてこれに対する取組がなされてこなかったこと、国会及び政府は、その悲惨な事実を悔悟と反省の念を込めて深刻に受け止め、深くおわびし、偏見と差別を国民と共に根絶する決意を新たにすること、国会及び政府が責任を持ってこの問題に誠実に対応していく立場にあることを深く自覚し、ハンセン病元患者家族の被った精神的苦痛を慰謝し、ハンセン病元患者家族等の名誉の回復及び福祉の増進を図るため、この法律を制定することを明らかにする前文を設けること。

二 この法律において「ハンセン病元患者」とは、らい予防法が廃止されるまでの間(平成八年三月三十一日までの間)に、ハンセン病の発病歴のある者をいい、「ハンセン病元患者家族」とは、ハンセン病元患者と一定の親族関係があった者であって、この法律の施行の日において生存しているものをいうこと。

三 国は、ハンセン病元患者家族に対し、補償金を支給すること。

四 補償金の額は、ハンセン病元患者の配偶者(事実婚を含む。)、親、子等は百八十万円とし、兄弟姉妹、ハンセン病元患者と同居していた兄弟姉妹の配偶者及び孫等は百三十万円とすること。

五 厚生労働大臣は、補償金の支給を受けようとする者の請求に基づき、当該支給を受ける権利の認定を行うこと。請求の期限は、この法律の施行の日から五年とすること。

六 厚生労働大臣は、補償金の支給の請求を受けたときは、請求者がハンセン病元患者家族であることを確認することができる場合を除き、ハンセン病元患者家族補償金認定審査会に審査を求め、その審査の結果に基づき認定を行うものとすること。

七 国は、ハンセン病元患者家族に対し補償金の支給手続等について十分かつ速やかに周知するための措置及び補償金の支給を受けようとする者に対する相談支援その他請求に関し利便を図るための措置を適切に講ずるものとすること。

八 国は、ハンセン病元患者家族等について、名誉の回復及び福祉の増進を図るために必要な措置を講ずるよう努めなければならないこと。

九 この法律は、一部の規定を除き、公布の日から施行すること。

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