私立学校法の一部を改正する法律案(内閣提出第二一号)概要
本案は、私立学校の健全な発達に資するため、理事、理事会、監事、評議員、評議員会及び会計監査人の職務その他の学校法人の機関に関し必要な事項について定めるとともに、予算、会計その他の学校法人の管理運営に関する規定の整備等を行うものであり、その主な内容は次のとおりである。
一 学校法人には、理事、理事会、監事、評議員及び評議員会並びに理事選任機関を置かなければならないこととすること。
二 役員等の資格及び選解任の手続等並びに各機関の職務及び運営等の管理運営制度の見直し
1 理事選任機関の構成等は、寄附行為をもって定めることとすること。
2 理事選任機関は、理事の選任に当たって、あらかじめ評議員会の意見を聴くこととすること。
3 理事長の選定は理事会で行うこととすること。
4 理事と評議員の兼職を禁止すること。
5 監事は、評議員会の決議によって選任することとするとともに、役員近親者の就任を禁止すること。
6 理事及び理事会により選任される評議員の割合並びに評議員の総数に占める役員近親者及び教職員等の割合に一定の上限を設けること。
7 評議員会は、理事選任機関が機能しない場合に理事の解任を理事選任機関に求めることができることとするとともに、監事が機能しない場合に理事の行為の差止請求及び責任追及を監事に求めることができることとすること。
8 学校法人は、寄附行為をもって定めるところにより、会計監査人を置くことができることとすること。
三 文部科学大臣が所轄庁である学校法人及びそれ以外の学校法人でその事業の規模又は事業を行う区域が政令で定める基準に該当するもの(以下「大臣所轄学校法人等」という。)の特例
1 大臣所轄学校法人等においては、解散、合併等学校法人の基礎的変更に係る事項及び寄附行為の変更につき、理事会の決定に加えて評議員会の決議を要することとすること。
2 大臣所轄学校法人等は、会計監査人を置かなければならないこととすること。
四 役員、評議員又は会計監査人の損害賠償責任等に関する規定を整備するとともに、役員等の特別背任等に係る罰則に関する規定を整備すること。
五 この法律は、一部を除き、令和七年四月一日から施行するものとするとともに、この法律の施行に関し必要な経過措置等を定めること。