犯罪による収益の移転防止に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第五一号)(参議院送付)の概要
本案は、最近における犯罪による収益の移転に係る状況等に鑑み、預貯金通帳の不正譲渡等に対する罰則の引上げ、預貯金口座等を利用した財産の移転等を人に有償で依頼する行為等に対する罰則の創設、預貯金口座等が犯罪に利用されることを防止するための警察官による預貯金口座等を用いた措置に関する規定の整備等の措置を講ずるもので、その主な内容は次のとおりである。
一 預貯金通帳の不正譲渡等に対する罰則を引き上げること。
二 通常の商取引又は金融取引として行われるものであることその他の正当な理由がないのに、自己又は第三者が管理し、又は管理しようとする財産を移転することを目的として、人に、有償で預貯金契約等に係る役務を利用して財産を移転するように依頼する行為等に対する罰則を設けること。
三 警察官は、預貯金取扱事業者等に対し、名義人の表示等について特別の措置を講じた預貯金口座等である犯罪利用防止措置用口座等の開設等を求めることができることとすること。
四 警察官は、預貯金通帳等の不正譲渡等をするよう勧誘等を行う者に対し、犯罪利用防止措置用口座等の通帳等を譲り渡すことその他の預貯金口座等が犯罪に利用されることを防止するための犯罪利用防止措置用口座等又はその通帳等を用いた措置を講ずることができることとすること。
五 警察本部長は、犯罪利用防止措置用口座等への財産の移転等があった場合は、当該財産を保管し、当該財産の移転を行った者に対し当該財産を返還することとすること。
六 都道府県公安委員会は、犯罪利用防止措置用口座等に移転された財産であってその返還を受ける権利が消滅したものを原資として、犯罪利用防止措置用口座等への財産の移転元となった預貯金口座等に財産を移転した詐欺等の被害者に対し、特定被害回復給付金を支給することとすること。
七 移転される場合における通知義務等の対象となる電子決済手段に、無記名受益権に係るものを除く受益証券発行信託によらない特定信託受益権を追加すること。
八 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行すること。ただし、一及び二については、公布の日から起算して一月を経過した日から施行すること。

