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警察等が取り扱う死体の死因又は身元の調査等に関する法律案(内閣委員長提出、衆法第一三号)の概要

 本案は、警察等(警察及び海上保安庁をいう。以下同じ。)が取り扱う死体について、調査、検査、解剖その他死因又は身元を明らかにするための措置に関し必要な事項を定めるもので、その主な内容は次のとおりである。

一 本法は、警察等が取り扱う死体について、調査、検査、解剖その他死因又は身元を明らかにするための措置に関し必要な事項を定めることにより、死因が災害、事故、犯罪その他市民生活に危害を及ぼすものであることが明らかとなった場合にその被害の拡大及び再発の防止その他適切な措置の実施に寄与するとともに、遺族等の不安の緩和又は解消及び公衆衛生の向上に資し、もって市民生活の安全と平穏を確保することを目的とすること。

二 警察署長は、警察が取り扱う死体であって、犯罪捜査の手続が行われるもの以外の死体(以下「取扱死体」という。)について、その死因を明らかにするために体内の状況を調査する必要があると認めるときは、体内から体液を採取して行う出血状況の確認、体液又は尿を採取して行う薬物又は毒物に係る検査、死亡時画像診断その他の検査を実施することができ、当該検査は、医師に行わせるものとすること。

三 警察署長は、取扱死体について、法医学に関する専門的な知識経験を有する者の意見を聴き、死因を明らかにするため特に必要があると認めるときは、その必要性を遺族に説明した上で、その承諾を得ることなく、解剖を実施することができ、当該解剖は医師に行わせるものとすること。

四 警察署長は、一定の基準に該当すると都道府県公安委員会が認めた法人又は機関に、三の解剖の実施を委託することができること。

五 警察署長は、取扱死体の身元を明らかにするため必要があると認めるときは、血液、歯牙、骨等の当該取扱死体の組織の一部を採取し、又は当該取扱死体から人の体内に植え込む方法で用いられる医療機器を摘出するために当該取扱死体を切開することができ、当該措置は医師又は歯科医師に行わせるものとすること。

六 警察署長は、一連の措置の結果明らかになった死因が、その後同種の被害を発生させるおそれのあるものである場合において、必要があると認めるときは、その旨を関係行政機関に通報するものとすること。

七 警察署長は、死因を明らかにするために必要な措置がとられた取扱死体について、その身元が明らかになったときは、速やかに、遺族その他当該取扱死体を引き渡すことが適当と認められる者に対し、その死因等の説明を行うとともに、当該取扱死体を引き渡さなければならないこと。

八 この法律は、平成二十五年四月一日から施行すること。

 

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