国家公務員法等の一部を改正する法律案(内閣提出、第百八十五回国会閣法第一九号)の概要
本案は、国家公務員制度改革基本法に基づき、内閣による人事管理機能の強化等を図るため、幹部職員人事の一元管理等に関する規定の創設、内閣人事局の設置等に関する規定の整備、内閣総理大臣補佐官に関する規定の整備及び大臣補佐官に関する規定の創設等を行うもので、その主な内容は次のとおりである。
一 幹部職員人事の一元管理等
1 内閣総理大臣は、幹部職員等について適格性審査を公正に行い、その結果、幹部職に属する官職に係る標準職務遂行能力を有することを確認した者について、幹部候補者名簿を作成するものとすること。
2 幹部職への任用は、幹部候補者名簿に記載されている者であって、当該幹部職についての適性を有すると認められる者の中から行うものとすること。
3 任命権者は、幹部職に係る任免を行う場合には、内閣総理大臣及び内閣官房長官との協議に基づいて行うものとすること。
4 任命権者は、幹部職員について一定の要件に該当するときは、人事院規則の定めるところにより、当該幹部職員が現行法の降任の要件のいずれにも該当しない場合においても、その意に反して直近下位の職制上の段階に属する幹部職へ降任することができるものとすること。
5 各大臣等は、幹部候補育成課程を設け、内閣総理大臣が定める基準に従い、運用するものとすること。
二 内閣人事局の設置
1 内閣官房に内閣人事局を置くものとし、内閣人事局は、国家公務員制度の企画及び立案に関する事務、中央人事行政機関たる内閣総理大臣の所掌する事務、行政機関の機構及び定員に関する企画及び立案並びに調整に関する事務等をつかさどるものとすること。
2 内閣総理大臣は、人事院の意見を聴いて、職務の級の定数を設定し、又は改定することができるものとし、この場合において、内閣総理大臣は、職員の適正な勤務条件の確保の観点からする人事院の意見については、十分に尊重するものとすること。
三 内閣総理大臣補佐官の所掌事務の変更及び大臣補佐官の規定の創設
1 内閣総理大臣補佐官の所掌事務については、内閣総理大臣の命を受け、内閣の重要政策のうち特定のものに係る内閣総理大臣の行う企画及び立案について、内閣総理大臣を補佐するものとすること。
2 大臣補佐官は、特に必要がある場合に、各府省に置くことができるものとし、大臣の命を受け、特定の政策に係る大臣の行う企画及び立案並びに政務に関し、大臣を補佐するものとすること。
四 この法律は、一部の規定を除き、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行するものとすること。